サンパウロ州を南北に走るアンシエタ高速道路で23日、720万レアル相当(約2億2千万円)のたばこを積んだトラックが20人以上の犯罪者集団にハイジャックされ、運転手は別の車に移動させられたが満員で、助手席に座るも膝の上に犯人の一人を乗せたまま約130キロも走行した。24日付G1サイト(1)(2)が報じている。
強盗被害にあったトラックはミナス・ジェライス州ウベルランディアを出発し、サンパウロ州のプライア・グランデに向かっていた。事件は23日の午前10時頃に発生した。運転手は走行中のトラックから引きずり降ろされ、武装した犯罪者によって他の車両に乗せられた。
彼は人質にされ、拉致現場のクバタン市から130キロ離れたリベイラ渓谷のイタリリ市で解放された。拘束されていた約2時間、犯人の一人は彼の膝の上に座ったままだった。
警察の追跡により17人が逮捕され、3人の容疑者が死亡したが、5人は逃走して指名手配中だ。警察によれば犯人らはトラック2台、バン1台、乗用車3台に分乗していた。現場で8人が逮捕され、そのうちの1人は脚を撃たれた。3人は逃走中の銃撃戦で死亡したと報じられている。
犯罪者を捕まえるため、警察は霧や豪雨、寒さなどの悪天候や地形を利用し、綿密な捕獲作戦を立てた。その日のうちに4人が逮捕され、夜にはさらに5人が逮捕された。事件後、約1200箱のたばこが回収され、被害者に返還されたという。
警察によれば、アンシエタ高速道路で強盗を行った犯罪組織はカラピクイバおよびイタペセリカ・ダ・セラ出身者で、各メンバーが役割を分担した計画的犯行だったとのこと。
事件を担当した第1高速道路警察大隊の指揮官ファビオ・パガノット中佐によれば、過去20年にアンシエタ高速道路のサービスエリアでトラックの荷物が強奪された同様の事件があり、その際も犯罪者らは同じ手順で行動した。
その時は警察が現場に到着するのが遅れ何もできなかったが、「今回は迂回情報を受け取ると、すでに犯罪組織への対処法が分かった。今回、我々の警備隊は無線で通信していなかったのだが、それは犯人らが警察無線をキャッチしていたため。そんな我々の注意が功を奏した」と語った。