南米チリで19日、南米最速の鉄道が開業した。時速160キロのこの中国製車両は、首都サンティアゴと南部の都市クリコを結び、従来の列車より20分短縮し、2時間以内で移動できるようになった。これは所要時間を大幅に短縮するだけでなく、南米における公共交通の進歩を示し、迅速かつ効果的な手段を提供するものとして注目を集めている。25日付エスタード・モビリダーデなど(1)(2)(3)が報じている。
この列車の乗車定員は238人で1日3便の運行。切符の値段は現在1万900ペソ(約1765円)〜17900ペソ(約2900円)だ。チリ国鉄(EFE)が運行とチケット販売を管理している。
クリコ市はマウレ州南部に位置し、サンティアゴの南約200キロにある。同列車はサンティアゴ最大の鉄道ターミナルである中央駅から出発し、クリコの主要駅に向かう。現在のところ、運行時間は毎日午前8時から午後7時40分までとなっている。
この運行は、ガブリエル・ボリッチ大統領政府が推進する「チリのための鉄道」計画の一環である。このプロジェクトは2023年に発表された。チリ政府によると、EFEは中国鉄道車両公司(CRRC)製の高速列車6両に7千万米ドルを投資した。
車内には、LEDディスプレイを備えた乗客向け情報システムと、飛行機のように旅程状況をリアルタイムで報告する音声システムが搭載されている。さらに自動ドア、身体障害者向けのトイレ、朝食サービス、自動販売機も備えている。
同列車サービスはまだ完全ではない。23年の6月と8月に同国を襲った暴風雨のため、いくつかの鉄道橋が破壊された。改修工事完了後、政府は24年後半に鉄道路線をタルカ市から更に南に151キロ離れたチヤン市まで延長する予定だと報じている。
最高時速160キロのこの列車は、電気とディーゼルの両方で並行して運行できる技術を備えており、多様性と効率を確保している。