名前、出生地、生年、母親の名前が強盗事件の容疑者とたまたま酷似し、事件当時に犯行現場と同じ州にいたことから誤認逮捕された青年が1日、約2カ月後にようやく釈放された。その間、「獄中は人で溢れかえり、トコジラミやゴキブリがはびこっていた」と辛い日々のことを語ったと5日付G1サイト(1)が報じた。
ブラジル中部ゴイアニア州アパレシーダ・デ・ゴイアニア市で、法学部学生のルイス・ブレンド・マク・ドヴェル・ド・ナシメントさん(23)は、南部サンタカタリーナ州で起きた強盗未遂の容疑者として昨年12月12日に逮捕された。
事件の日、偶然にも彼は陸軍軍曹採用試験を受けるために同州を訪れていた。犯人の氏名は「ルイス・ブレンド・マク・ドヴェル・ドス・サントス」で姓が違うだけで非常に似ており、二人とも北部パラー州出身、2000年生まれだった。
さらに驚くべきことに二人の母親は「リジアーニ・マク・ドヴェル」とまったく同姓同名だったことも、誤認逮捕の大きな要因となった。
ルイスさんは「投獄された時、何も持っていなかった。歯を5日間磨けず、マットレスもなく、床に寝るしかなかった。部屋は人で溢れかえり、トコジラミやゴキブリがはびこっていた。支給される弁当の肉は腐っている時もあった」と辛い刑務所生活を振り返った。
母親のリジアーニさんは息子の無実を訴え続けた。警察の捜査の結果、ルイスさんの無実が確認され、収監から53日後の今月1日にようやく釈放された。彼は陸軍軍曹採用試験に合格していたことを獄中で知った。母親は息子と再会し、「ルイスがここにいるだけで感無量。息子は3年間懸命に法律を学び、試験に合格した」と述べた。ルイスさんは刑務所を出る際、「家に帰って、家族と一緒にいて、ケーキを食べたい」と語った。
ゴイアス州刑事警察総局は声明の中で、監房内の不潔さや食事の不足に関する主張を否定し、囚人らに衛生キット、マットレス、毛布を提供し、家族が食料品や衛生用品を提供できるようになっていると明らかにした。また刑執行法によれば、刑務所内の清掃は囚人の責任であり、栄養士によって管理された食事が1日4食支給されていると強調した。