ブラジルの大学受験=長野育ちの日系4世の挑戦(7)=日本に居る間に書類の準備を

アポスティーユ認証を取り付けた書類

 1年間の受験期間の中で、最も苦労したことの一つが、必要書類の手配だった。
 私の場合、一般の受験生が提出する書類のほかに、公証翻訳されたアポスティーユ認証付きの高校調査書と卒業証明書、ブラジルの教育事務所(Secretaria de educação)または教育局(Diretoria de ensino)が発行した伯国高校卒業同程度認定書(Equivalênica de estudos)が必要だった。
 「アポスティーユ」(公印確認)とは、日本の県警などの官公署や地方自治体等が発行する公文書に対する、日本国外務省の認証証明のこと。日本の自治体などが発行する書類を外国で通用させるためには、日本国外務省が「これは正式な文書です」と保証する必要があり、その公印のことをアポスティーユという。
 日本国外務省では、地方自治体などの公文書上に押印されている公印について、その公文書上に証明を行う。外務省で公印確認を受けた後は、必ず日本にある外国の大使館・(総)領事館の領事による認証(=領事認証)を取得する必要がある。
 ただし、私の場合は高校調査書と卒業証明書に日本国外務省のアポチィーユがあれば、ブラジルの大学では問題なかった。だが大学によっては必要になるかもしれないので、志望大学のサイトをしっかり調べるか、入学窓口の担当者に問い合わせることをお勧めする。
 両書類とも日本から取り寄せる必要がある。私の場合は母が今も地元長野で暮らしているので、取り寄せ作業を手伝ってもらえたが、そうした伝手が無い場合は、出身高校に問い合わせて発送までしてもらわなければならない可能性がある。
 私のように伯国での進学を考えている人は日本に居る間に、両書類を用意しておくことを強くお勧めする。これらは後に公証翻訳を行うので、翻訳業者の多い英語表記のもの、もしくはポルトガル語で用意しておくと良いだろう。
 ブラジル高校卒業同程度認定書は最寄りのブラジルの教育事務所に出向いて取得する。この際に、公証翻訳されたアポスティーユ認証付きの高校調査書と卒業証明書が必要になる。
 ブラジルでは、事務所や担当者によって、求めてくる必要書類が違うということがよく起きるので、時間がかかることを覚悟して事に臨んだ方が良い。
 私は受験経験のある日系ブラジル人の友人に助けてもらいながら、教育事務所とのやりとりを行い、何とか書類手配を済ますことができた。持つべきものは友人だ。(松永エリケさん、続く)

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