街角ちょっと見=ジブリ新作と同時上映で喜び=ブラジルファン筆頭クリス監督

クリス氏とジェシカ氏

 サンパウロ市の日本文化福祉協会で4日に行われた『君たちはどう生きるか』(スタジオジブリ)の先行上映会では、本編上映に先だって、クリス・テック氏の自主制作映画作品『Wind Princess(風の姫)』(15分)が上映された。人気アニメ『風の谷のナウシカ』へのオマージュ作品だ。
 上映会に参加したクリス氏は、本紙の取材に対して「こんなにも大勢の人に観てもらうことになり非常に緊張しました。とても素晴らしい機会をもらえて嬉しいです」と笑顔で話した。
 また、『君たちはどう生きるか』に対しては「現実の世界と異世界で旅をすることから、『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』に似ている部分があると思いました。僕は家族についてのメッセージを送っていると受け取りました。その中でも、主人公と父親の関係性については興味深いものを感じます」と話した。
 クリス氏と共に上映会に参加した『Wind Princess』で主人公のナウシカ役を演じたジェシカ・フレイタグさんは「母の死に義母の妊娠、人の生から死までのサイクルを表現していると感じました。まだ物語を消化しきれてないので考える時間が必要です」と語った。
 『Wind Princess』上映後、会場は大きな拍手と歓喜に包まれた。憧れの宮崎駿監督の作品上映会で、一ファンとして作った自身の作品が上映されたことは、クリス氏にとって、非常に光栄なことだったにちがいない。クリス氏の本業は脚本家。いつの日かブラジル映画界の第一人者となって、その想いが宮崎監督に届くことを願っている。(莉)

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