8日、ルーラ大統領(労働者党・PT)はロドリゴ・パシェコ上院議長(社会民主党・PSD)の地元であるミナス・ジェライス(MG)州を訪れた。アルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)との仲が危うくなっているタイミングでの訪問だった。同日付フォーリャ紙(1)が報じている、
今回のMG州訪問は、サンパウロ州、リオ州と続いたボルソナロ派知事の州訪問と投資発表の第3弾だ。大統領による同州訪問は現政権初で、リラ下院議長との対立の最中に行われたことが注目されている。
リラ議長は今年度の予算法裁可の際、委員会提出の議員割当金の一部(56億レアル)に拒否権が行使されたことを不服とし、その責任はアレッシャンドレ・パジーリャ大統領府渉外室長官(PT)にあると批判。下院再開の5日には、同長官を交代させなければ連邦政府が求める法案の審議は行わないと宣言した。
ルーラ大統領はパジーリャ氏の交代を却下する一方、上院との結びつきを強めようとしている。大統領と上院議長との関係は以前から良好で、同議長は少なくとも7回、大統領府を訪問。5日も予定外の会談を行った。
ルーラ氏は同議長を8日の訪問時に公表する同州への投資や財政に関する提案者の一人として紹介し、同州が抱える国に対する債務解決のための措置の立案者としても位置付けるつもりだ。
MG州はルーラ氏にとり、2022年の大統領選を僅差で勝った切り札となった州でもあり、上院議長との関係緊密化と地元訪問は選挙を念頭に置いた動きでもある。
PTは10月の州都ベロ・オリゾンテ市長選でロジェリオ・コレイア下議を擁立する意向だ。大統領は、それに対するパシェコ氏の支持取り付けと、2026年に同州知事選への出馬を有力視されている同議長への支持をPTが行うことも視野に入れて動いているという。