ロベルト・カンポス・ネット中銀総裁は7日、2024年のブラジルの国内総生産(GDP)は2%以上成長する可能性があると述べた。同日付ポデール360サイト(1)が報じている。
市場関係者らは、同行が行う経済動向予測調査「フォーカス」最新版で、成長率を1・6%と見積もっているが、カンポス・ネット氏はこれを上回ると見ている。同氏は経済の結果は外部要因と内部要因に左右されるとし、インフレ率の目標値へのコントロールと中国経済の発展について言及した。また、財政収支のゼロ化目標維持の重要性を強調した。
「財政目標を持つことは重要だ。たとえ難しくても、政府が目標を追求しようとすることが重要だ。我々は、政府が努力していることを理解している」と言及した。
23年のGDP成長率は3%に達すると見られている。これは、農業分野が年間を通して記録的な収穫量を記録したことによる。一方で、24年の農業ビジネスの成長率は低下すると予想されている。カンポス・ネット氏は、これは必ずしも悪い結果を意味するものではなく、前年を下回るだけだと述べた。
一方、BTGパクトゥアル銀行主任エコノミストのマンスエト・アルメイダ氏も同日、今年の経済成長率は2%近くが期待され、金融市場の一部が予想している1・5%を上回るだろうと指摘した。(2)
アルメイダ氏は、「国内で何かが起こり、経済の回復力が高まったと我々は考えている。金融業では大半が今年の成長率は1・5〜2%と予想しているが、私は2%に達する可能性の方が高いと見ている」と語った。
同氏によると、パンデミック後の経済を理解するのはより困難になっており、更なる注意が必要だという。ここのところ経済成長予測が頻繁に外れており、昨年の場合は予想以上の好結果となった。 「昨年初め、我々は経済モデルに1700億レアルの財政拡大を加えたが、それは秘密でもなんでもなく、穀物黒字を加味した成長率は0・9%となった。昨年の成長を説明するのは簡単か? どうだろう。というのも、上半期は誰も説明できなかったからだ。我々の既存モデルでは捉えきれない驚きの要素がある」と説明した。
アルメイダ氏は、今年の成長率が1・5〜1・7%だと予測する報道があるが、それは別に悪いことではないとし、「今年全体の成長率が1・5%ということは、下半期だけでみれば経済成長率が2・5%程度になることを意味する」と述べた。
今年前半は農業不振に喘いだとしても、地方選挙がある今年後半には昨年から始まった連邦政府の経済活性化計画(PAC)第3弾の投資結果が表れ始めて経済を押し上げるとの見方をしている。