ブラジル北東部ペルナンブコ州レシフェ市のカーニバルの象徴である巨大な鶏のモニュメント「ガロ・ダ・マドゥルガーダ(夜明けの雄鶏)」が今年もお目見えした。7日、市内中心部のドゥアルテ・コエーリョ橋に設置され、カーニバルが終わる14日(灰の水曜日)まで1週間の間、お祭りを盛り上げる。同日付CNNブラジルなど(1)(2)(3)が歴史を紹介している。
ガロ・ダ・マドゥルガーダは1977年末に設立されたブロッコ(路上カーニバルを行うグループ)の名前。その由来は、主催者たちが翌日のパレードのために夜を徹して働き、夜明けとともに準備が万全に整った、という逸話からきているという。
1994年に世界最大のブロッコとしてギネス世界記録に認定されたことを記念して、翌95年に市がガロ像を設置し、テーマ、色、重さ、大きさを変えながら30年以上にわたって伝統が引き継がれている。
今年のガロ像は、高さ28メートル、重さ8トン。白を基調とし、黄色(アジア)、黒(アフリカ)、赤(アメリカ)、青(ヨーロッパ)、緑(オセアニア)の色で5大陸を表し、グローバリズムを表現した。丹念に作られた尾羽には、16の言語で「平和」の文字が記されている。
このモニュメント製作には、次の様な持続可能性に対する意識があった。骨格を覆う素材の90%以上は、廃棄物や技術廃棄物の再利用によるもの。中には、2千メートルにも及ぶ広告資材(バーナー)や寄贈された1万枚CDやDVDも含まれている。
10日午前9時から行われる路上カーニバルでは、大型ステージと音響設備を搭載した大型トラック「トリオ・エレトリコ」が30台使用され、ミシェル・テロやエルバ・ラマーリョなど数十組のアーティストが参加する。パレードは市内の約6・5キロを練り歩き、250万人の観衆が集まると予想されている。
さらに今年は、同ブロッコがカーボンオフセット企画を導入する初の年であり、これによりパレード全体の活動で発生する二酸化炭素が100%相殺される見通しだ。この取り組みは、環境への配慮と持続可能性を重視する試みの一環として、多くの関心を集めている。