カーニバルの期間中は携帯電話の盗難や強盗が多発し、サンパウロ市警察は複数の窃盗犯を逮捕した。14日時点の保安局(SSP)のデータによると、同種の犯罪は10日〜13日の4日間で299件(平均して20分に1件)発生している。逮捕された窃盗犯の中には、1人で携帯電話22台を盗んだ女が含まれている。また、他人のキャッシュカードを450枚以上所持していた男も逮捕された。10日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じている。
警察は10日、22台の盗難携帯電話を持っていた女を逮捕した。犯人はサンパウロ市内で行われていたストリート・カーニバルに紛れ込んでスリを働き、盗んだ携帯電話18台をショルダーバッグに隠し、他の4台を衣服に忍ばせていた。
また、同日夜は、2日目のスペシャル・グループのパレードで賑わっていた同市北部アニェンビのサンボードロモ付近で、他人名義のキャッシュカード452枚をバッグの中に隠し持っていた38歳の男が現行犯逮捕された。この男はカード決済端末機と携帯電話も所持していた。
捜査によると、逮捕された男は 「golpe da maquininha(カード決済時に行われる詐欺)」を行う犯罪グループに属している疑いがあるという。詐欺師たちは、たとえば露天商から商品を購入する際、預かったカードを偽のカードとすり替えて人々をだますのだという。
現場はサントス・ドゥモン大通り付近で、バッグを持った2人組の男を不審に思った警官が近づくと、1人は逃げ出し、もう1人が拘束された。
逮捕された男は犯罪は犯していないと主張したものの、どのようにして他人名義のカードを大量に入手したのかを説明することができなかった。発見されたカードの一部は窃盗や強盗の届けが出ていた上、容疑者に盗品受取の前科があったため、警察は男を警察署に連行して拘束した。
同日はサンパウロ市南部でも、71枚のキャッシュカードを所持していた19歳の少年が逮捕された。容疑者は犯行を否認し、「カードを入手したから、どれが機能するかを確認しようとしていた」と供述しているが、盗難記録のある携帯電話も同時に押収された。警察は、容疑者がカードの複製を試みていたとみている。
14日メトロポレ(4)によると、カーニバル期間中、同市では警官約1万5千人が動員されており、ストリート・カーニバルでは私服警官が参加者に紛れて警備にあたった。また、ヘリコプターやドローンも使用して治安維持に努めたという。
2023年はカーニバル開催日の18日〜21日の4日間の携帯電話の盗難・強盗事件は合計955件だったから、今年は68%減少したことになる。パンデミック前の2020年のカーニバルでは、盗難2293件、強盗321件とさらに多かった。