サンパウロ州北西部ビリグイ市にあるサンタカーザ病院で9日、28歳の女性が診察中に強い腹痛を訴えた直後に出産した。女性にはつわりや腹部の膨らみなどの妊娠の兆候はなく、避妊薬を毎日服用し、生理も定期的にきていたため、妊娠していたとは想像もしておらず、出産時に初めて妊娠の事実に気づいたという。この日彼女は、生理痛のような激しい痛みを感じ、医師の診察を受けるため、夫と共に病院を訪れていた。16日付G1サイト(1)が報じている。
この女性、ナラ・エレナ・ヴィエイラ・ダ・シルヴァさんは、臨時外来に来てわずか5分で、自然分娩により体重2・6キロ、身長49センチの女児ヴァレンチーナちゃんを出産した。
「医師から妊娠しているか尋ねられたけど、私はしていないと答えた。彼は私のお腹を触っただけで、検査はしなかった。触診でも気付かれなかった」とナラさんは振り返った。
妊娠期間中、ナラさんは普段通りの生活を送っており、妊婦健診などを受けていなかったため、新生児のヴァレンチーナちゃんは合併症のために集中治療室(ICU)に送られた。
ナラさんはすでに4歳の女児の母親だ。1回目の妊娠中に子癇(しかん、妊婦の血圧が急上昇し、体の異常な浮腫やたんぱく尿が出るなどの合併症)に直面し、一時昏睡状態に陥ったため、妊娠7カ月の時に緊急帝王切開手術で出産していた。そしてその10日後、ナラさんは昏睡状態から目覚め、ようやく長女に会うことができたと明かした。
そのような経験があったことから、「驚きと喜びが複雑に入り混じっているわ。最初の妊娠のとき、医師からももう妊娠はできない、次の子を産んだら自分の命が危ないと言われていた。だからヴァレンチーナを出産する時に強い恐怖を感じたけど、彼女を無事に生むことだけ考えたわ。その時は衝撃的だったけど、今は家族みんなが幸せを感じているの」とナラさんは話した。
家族は現在、バレンティーナちゃんを家に迎え入れるための寄付を募っており、赤ちゃんが無事退院できることを願っているという。