リオ市で21日と22日の2日間、世界の主要経済国・地域が集まるG20外相会議が開催され、アントニー・ブリンケン米国務長官やセルゲイ・ラブロフ・ロシア外相、上川陽子外相など全加盟国の外交代表が一堂に介した。同会議では中東紛争やウクライナ情勢、エネルギー転換、国連改革の必要性などが話し合われる予定だと、21日付CBNなど(1)(2)(3)(4)が報じている。
ブラジルはG20議長国として飢餓・貧困・不平等の撲滅、持続可能な開発促進、グローバル・ガバナンス改革という三つの優先テーマを設定。外相会議では、ルーラ大統領が度々批判している途上国への資金援助や国連安保理改革に焦点を当てることを提案した。
ルーラ大統領は先週のエチオピア訪問時に「国連には新しい地政学が必要。拒否権を廃止し、安全保障理事会メンバーは戦争を煽るのではなく、平和主義者でなければならない」と発言していた。
現在のグローバル・ガバナンスの仕組みは、第2次世界大戦後に創設された。ブラジルはグローバル・サウス(南半球に多いアジアやアフリカなどの新興国・途上国の総称)と連携して新たな理事会メンバーを加え、活性化させる必要があると考えている。
この2日間は、同じくリオ市で11月に開催されるG20首脳サミットの予行演習と見られており、会場となるマリーナ・ダ・グロリアには、2016年のリオ五輪以来最大規模の警備体制が敷かれた。連邦警察、連邦道路警察、陸軍、海軍、空軍、市警から約1200人が厳戒態勢で警備にあたっている。
会場には八つの二国間会議用スペースが設けられ、外交団がビデオで会談をフォローできる部屋や、最大400人の報道関係者を収容できるプレスエリアもある。会場建設に使用された資材の一部は終了後、同市の市立学校のインフラ整備に再利用される。二国間会談は市内中心部にある旧外務省本部、イタマラチ宮殿でも行われる。
21日にはマウロ・ヴィエイラ外相とエドゥアルド・パエス・リオ市市長が主催し、市役所本庁のパラシオ・ダ・シダーデで外相らを招いて夕食会を開催した。