オランダの科学者でテレビ司会者でもあるフレイク・フォンク氏が、南米アマゾンで新種のグリーン・アナコンダを発見し、その巨大な水蛇と優雅に泳ぐ動画をSNSに投稿して注目を集めている。21日付テラ・サイト(1)が報じている。
それまでに確認されていたのはミナミ・グリーン・アナコンダ(学名:Eunectes murinus)という1種だったが、9カ国の14人から成る科学者チームが現地で調査にあたり、遺伝的に異なるもう1種を発見した。
新種は北部で発見されたことから、キタ・グリーン・アナコンダ(学名:Eunectes akayima)として区別され、研究論文は16日付の科学誌『ダイバーシティ』に掲載された。
フォンク氏は、これらの2種は一見同じように見えるが、遺伝子の差は大きく5・5%に達すると強調した。彼によれば、この相違は重要であり、ヒトとチンパンジーの遺伝子の差(約2%)と比較できると指摘した。
同氏は自分のSNSに、体長約8メートル、体重200キロ以上の新種アナコンダと並んで川の中で泳ぐ動画も投稿した。「私の頭ほどの大きさもある、まさに『怪物』だ。我々の驚きと感動は計り知れない。以前にも新種を発見したことがあるが、オーストラリアの小さなヘビだった。今回の発見が私の科学者としてのキャリアにおいて重要な節目となることは間違いない」とコメントした。
新種のヘビが発見された興奮とは裏腹に、アマゾン地域は気候変動と原生林の破壊による深刻な脅威に直面していると同氏は強調した。アマゾンの1/5以上、オランダの30倍以上に相当する面積がすでに消滅しており、この巨大なヘビの生存は、彼らの自然生息地の保護に密接に関係していると訴え、世界最大の森林を大切にすることの重要性を強調した。また今回の調査によってアマゾン独自の生物多様性を保護する緊急性が浮き彫りになったとも指摘した。
この研究の主著者であるヘスス・リバス氏は、15年以上前に妻と共に、アマゾン地域に複数のグリーン・アナコンダが生息する証拠を確認し、これがきっかけで収集サンプルの徹底的な分析を開始し、グリーン・アナコンダの個体群間の遺伝的な差異を特定する研究が始まった。彼らは数年前に同研究を開始したが、研究結果を発表できたのはつい最近のことだった。