スペインの裁判所は22日、バルセロナのナイトクラブでの強姦罪で訴えられていた伯人サッカー選手、ダニ・アウヴェス被告に対し、4年6カ月の実刑判決を言い渡した。22日付UOLサイト(1)やアジェンシア・ブラジル(2)が報じている。
この裁判は2022年12月にダニ被告がバルセロナ市内のナイトクラブで、当時23歳だった女性に対し、トイレで性行為を強要した嫌疑に関するものだ。
ダニ被告は23年1月に逮捕されたが、その頃から「女性を知らない」「一緒にトイレに入ったが何もしていない」「性行為はあったが合意だった」など、証言を次々と変えて疑惑を深めていた。また、口内射精などを強要したことや、女性の衣服についていた精液が同被告のものであることがDNA鑑定で証明されるなど、釈明は困難な状況にいた。
公判の最終尋問はは2月5~7日に行われており、15日後に判決が出た。判決では外出許可なしの4年6カ月の禁固刑が命じられたが、原告側が求めた刑期の12年や、検察側が求めた9年を大幅に下回った。
実刑年数軽減の背景には、同被告がバルセロナFC時代の同僚だったネイマールの家族の助けも借りて、90万レアル(15万ユーロ)の罰金を支払っていたことがある。
また、ダニ被告は、原告女性の自宅や職場から1キロ以内の距離に近づくことを禁止されており、原告女性とは9年半の間、いかなる手段であっても、連絡を取ってはならないとされた。
さらに、刑期終了後も5年間は、未成年者と関係のある仕事や雇用、公共の職業に従事するなども禁じられた。
この判決を受け、ダニ被告の弁護人のイネス・グアルディオーラ氏は、「刑期軽減は良い話だが、私は無実を信じている。今後も戦う」として、控訴を示唆している。また、原告や検察が刑期軽減を不服として控訴する可能性もある。
今回の事件は、スペインが2022年に導入した強姦防止対策が適用される初期の事件の一つである上、W杯に3度出場し、選手として42回の優勝を誇る名選手が容疑者となったことで国際的な話題となっていた。