60万人か18万5千人か=USPが大人数計測に新技術

25日、パウリスタ大通りで行われたボルソナロ前大統領を支持する集会(Foto: Rovena Rosa/Agência Brasil)
25日、パウリスタ大通りで行われたボルソナロ前大統領を支持する集会(Foto: Rovena Rosa/Agência Brasil)

 25日のボルソナロ前大統領抗議集会に集まった人数に関して、サンパウロ州公安局(SSP―SP)は60万人(近隣地区合計で75万人)と発表したが、サンパウロ総合大学(USP)の研究チームは18万5千人と計算した。あまりに異なる二つの数字だが、一体どちらが正確なのか?
 後者の数字は、ドローンによる写真撮影と人間の頭部を数えるソフトウェアを組み合わせる新技術によって算出されたもの。これは従来の手法よりも正確な方法と26日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
 USPの公共政策管理学のパブロ・オルテリャド教授は、グローボ・ニュースの番組でこの新集計システムについて次のように説明した。
 まず、ドローンが空中から真下を垂直に撮影する。撮影されたエリアを区画分けして同じ人物を2度カウントしないように、ソフトウェアを駆使して重なった画像を削除する。複数の真上からの写真を横に並べて、1枚の水平な写真にまとめ、最後に人間の頭部を数えるように設計されたソフトウェアが画像に写っている頭の数を計測するのだという。
 一方、サンパウロ州保安局はデモの面積を「占有係数(人の密度)」で乗じるという手法を使用している。この指標を確立するために、航空写真と現場のエージェントによる主観による観察で導き出す係数を利用している。「軍警オペレーションセンターのソフトウェアをベースに係数が入力され、占有されたエリアが自動的に計算される」とSSP事務局は説明した。
 オルテリャド教授は、「我々が目にする推定のほとんどは主催者側のものであるため過大評価され、しかも目測で計測されていることが多い。我々が2年間取り組んできたのは、客観的な方法で計測し、時間経過に伴う比較をより正確に行うことができる技術の開発だ」と述べた。
 同氏は主な違いとして、USP方式では群衆の人数を認識するように訓練されたソフトウェアを使うことだとし、「ソフトの開発を重ねた結果、誤差は12%にまで精度を上げた。10万人と推定した場合、実数は8万8千〜11万2千人ということ」と説明した。
 ただしソフトには計測する上での物理的な障害がある。「例えば、木の葉や枝の下にいる人を数えることができない。また、15時に写真を撮った場合、それ以降に到着したグループはカウントに含まれない」などの制限について言及した。
 「しかし、自信を持って言えるのは、我々は一つの方式、基準を確立したということだ。その基準は今後もあまり変わらないだろう」と話す。USPの研究によれば、18万5千人に達したのは15時頃にボルソナロ氏が演説のために街宣車に乗った時であり、17時には3万〜4万5千人まで減っていたという。

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