IBSAでインド・ブラジル・南アフリカ連携強化=BRICSと別の枠組み再始動

IBAS閣僚会合(24日付G20ブラジル政府サイトの記事の一部)
IBAS閣僚会合(24日付G20ブラジル政府サイトの記事の一部)

 24日付G20ブラジル政府サイト(1)によると、リオ市でG20外相会議開催中の22日、インド・ブラジル・南アフリカ対話フォーラム(IBSA、ポルトガル語表記IBAS)の閣僚会合が開催され、同3カ国が共通の基盤を整えるため、10年以上停止していた活動を再活性化し、連携を強化することに合意した。BRICS創立以前、ルーラ大統領の1期目の2003年に三つの多民族・多人種の民主主義国が集まって創設されていた。
 グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国の中で、インド、ブラジル、南アフリカは偶然にも現在のG20トロイカ体制(前議長国、現議長国、次期議長国の3カ国による協力体制)を形成している。安定した民主主義国家という点で共通しており、BRICS内のパートナーとして、同組織の拡大を懸念する国々との対話の架け橋となる可能性がある。
 22日付ロイター通信(2)によれば、ウクライナ侵略により外交関係が著しく制限されているロシアもBRICSには加盟しており、中国は欧米諸国と困難な関係にあり、新加入したサウジアラビアは人権、特に女性に関する問題で批判を受けている。それに対してIBSA3国は安定した民主主義国として広く認められている。
 ブラジル外務省筋は「BRICSと距離を置く兆候を見せたくない。我々はすべてのパートナーと良好な関係を築いている。しかしIBSAは、BRICSでは交渉できない対話者と話すことができる。BRICSに代わるものではなく、幾つかの選択肢の一つだ」とグループ再開について説明した。
 マウロ・ヴィエイラ外相は、G20外相会議期間中に17の二国間会議に参加したほか、南アフリカのナレディ・パンドール外相とインドのV・ムラリーダラン外務担当閣外大臣を会議に招いた。
 「IBSAには、貧困を克服しようとしている民主主義国と、それぞれの地域で地政学的に重要な役割を担っている国がある」とブラジル外務省のエドゥアルド・パエス・サボイア・アジア太平洋担当大使は説明した。BRICSと同様に、IBSAは南半球の国々の視点と利益に基づいて国際秩序に変化をもたらす動きの一部であると、同大使は言う。
 IBSA閣僚会合では、ルーラ大統領がG20のために設定した三つの優先事項のひとつである、食料安全保障と栄養に関するフォーラムの当局者による初会合を開催することを決定した。さらに、南南協力のイニシアチブであるIBSA基金を復活させ、より堅固な構造を持たせて資金を増やし、他の投資を受け入れ、多くのプロジェクトを資金提供するためのリソースを増やすことで一致した。これまでのところ、同基金の影響力は限定的で3カ国の投資はそれぞれ1千万ドル程度しか投資していない。
 11月にリオ市でIBSA首脳サミットを開催することに合意したことも一歩前進となった。同サミットでは格差是正のための課税、安全保障理事会を含む国連改革、多国間主義の強化、環境問題など重要な分野での合意形成を目指す。

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