ガザ地区でのパレスチナ人殺害をホロコーストになぞらえる発言をしたルーラ大統領(労働者党・PT)に対する弾劾請求に署名した連立与党所属下議は、連邦政府から制裁を受けることになるだろうと下院政府リーダーのジョゼ・ギマランエス下議(PT)が与党側の政党リーダーに伝えたことが明らかになった。27日付フォーリャ紙(1)が伝えている。
この情報は、下院政府リーダーのジョゼ・ギマランエス下議(PT)が同日行われた会議で、与党側の政党リーダーたちに伝えたものだ。
それによると、弾劾請求に署名し、地域の役職者を指名した下議は、それらの役職を失う可能性があるだけでなく、議員割当金の支払いを含む、政府からのサポートも減少すると見られている。
ルーラ氏の弾劾要請は22日夜、カルラ・ザンベッリ下議(自由党・PL)によって提出された。下院議長団の書記によれば、139人の議員が署名しており、その中には下院でルーラ政権を支持する政党の議員も含まれているという。
27日の会合の議題は弾劾請求に関してで、与党側の政党リーダーには弾劾請求に署名した与党議員の名前が記載されたリストが渡され、これらの下議に要請への支持を取り消すよう働きかけるよう求められたという。
弾劾要請に署名した下議がいる連立政党は、ウニオン・ブラジル、社会民主党(PSD)、共和者(RP)、進歩党(PP)で、前者2党は各々、3人の閣僚を擁し、後者2党の閣僚は各1人だ。
ルーラ大統領は、下院では少数派の左派基盤を持って選出されたため、中道や右派の政党と連携する必要があった。にも関わらず、行政府と立法府、特に下院の関係は、2023年を通じて緊張の連続だった。
ホロコースト発言は野党に弾みをつけ、ボルソナロ支持者を弾劾要請に踏み切らせた。ただ、連邦議会内のリーダーたちは弾劾が成功する可能性はゼロだと言う。
弾劾手続きの開始は、訴追請求を分析し、処理する責任を持つアルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)に一任されている。下院議長にはこれらの要請を審議するための期限はなく、いつまでも処理されずに放置される可能性がある。
民政復帰後に選出された大統領の中で弾劾裁判の対象となったのはフェルナンド・コーロル氏(1992年)とジルマ・ルセフ氏(2016年)で、コロール氏は上院の最終決定前に辞任した。