2月29日付G1サイト(1)によると、サンパウロ市~カンピーナス市間の101キロを結ぶ都市間鉄道(TIC)のコンセッション入札が同日、サンパウロ証券取引所で行われ、唯一の入札者だったコンソーシアムC2モビリダーデが落札した。南北を縦断するTICが商業運行を開始する2029年度には1日55万人近くの輸送が可能になると見込まれている。
28日付ヴァロール紙など(2)(3)(4)によると、TIC建設は何年間も議論されてきたもので、タルシジオ知事(共和者・RP)の優先事業の一つであり、連邦政府が発表した新経済活性化計画(PAC)のプロジェクトリストにも含まれている。
落札したC2モビリダーデは、中国が誇る世界最大の鉄道車両メーカーCRRC社(中国中車)とブラジルのコンポルテ社で構成される共同企業体。現在はパウリスタ都電(CPTM)が管理している、バラ・フンダ駅〜ジュンジアイ駅間を結び、17の駅を通過する7号線の近代化も担当。
プロジェクトの最新版では投資予定総額が128億から135億レアルに引き上げられたが、G1サイトによれば、建設や近代化を含むインフラストラクチャーへの投資は142億レアルとされている。同プロジェクトへの政府側の支出額は入札プロセスにおける競争の度合い次第とされていたが、開札時点では最終額は示されていない。
入札では、財政上の対価、つまりサービスの運営を保証するために政府が毎年支払わなければならない金額が最も低い事業者が選ばれ、その上限は85億レアル、また、インフラに投資される135億レアルのうち、最大約90億レアルを政府が負担することになっていた。国の財源の一部は、社会経済開発銀行(BNDES)からの64億レアルの融資によるもの。
2029年完成予定のTICはまず、サンパウロ市~カンピーナス市間を所要時間93分で結ぶ各駅停車が運行開始となり、31年までにはジュンジアイ駅でのみで停車する急行が運行を開始する予定だ。この時点での最高時速は140キロ、所要時間は64分に短縮される見込みだ。急行電車の乗車運賃は最大で64レアルとされているが、運営会社は需要を考慮して最終額を決める。料金はインフレ率に応じて調整される。
これと並行して、連邦政府のコンセッション事業者であるMRS社が運営する貨物専用線が設けられる。同社はサンパウロ市〜ジュンジアイ市間の線路をCPTMと共有しているが、22年に連邦政府との間で、投資と引き換えにコンセッションの早期更新に合意した。同社は、サンパウロ市とジュンディアイを結ぶ新路線を建設し、もう一方の路線は旅客専用にするという構想だ。
(1)https://g1.globo.com/sp/campinas-regiao/noticia/2024/02/29/leilao-trem-intercidades-resultado.ghtml
(2月29日)