「私はお腹で連帯を示しているだけで、母ではない」――友人であるサンパウロ市に住むゲイカップルの子どもを身ごもった代理母の女性は、そんな気持ちを1日付G1サイト(1)で述べている。
親になる2人と、娘マヤちゃんを身ごもった女性が写ったマタニティフォト(妊娠中の女性の姿を撮る記念写真)が、SNS上で話題となる一方、偏見に満ちた辛辣なコメントの攻撃も受けているとも報じられた。
父親の一人ヴィトルさんは「私たちはこんな事態に備えて、文化的、倫理的、専門的な回答をする準備ができている。コメントによっては全く対応しないこともある。何人もの心理学者から助言を受けてきた」とG1に語った。
彼と夫のブルーノさんは、カーニバルで出会ってから7年間一緒に過ごし2017年に結婚した。2人は子供を迎える方法として、養子縁組か代理母出産を検討していたが、ある有名男優が代理母制度で子供を授かったことをきっかけに、この方法を深く考えるようになった。
ブラジルでは商業目的の代理出産は禁止されている。だが連邦医師審議会(CFM)は、生まれつき子宮がない、手術で子宮を喪失した、治療不可能な子宮疾患がある、同性愛のカップル、独身者などのケースでは「barriga solidária(腹の連帯)」として代理出産が認められている。
このシステムは次の規則に従う。子宮提供者に報酬を支払ってはいけない。代わりに、実の両親が子供の出産前から産褥期(さんじょくき、出産後のカラダが元の状態に戻るまでのおよそ6〜8週間の期間)までの全ての医療費を負担する。この規定により、代理出産は商業的な性質を持つことなく行われる。
子宮提供者は少なくとも一人の子供を持ち、かつカップルの四親等以内の血縁関係にある女性に限られる。血縁関係がない場合、地域医師審議会の事前承認が必要。
男性の同性カップルの場合、卵子提供者も必要となり、卵子提供者も同様に四親等までの親族、または卵子バンクを通じた匿名提供者でも可能で、ヴィトルさんとブルーノさんはこれを選択した。
カップルの4年来の友人である代理母は子供を産むことに同意した経緯を、匿名を条件に「彼らが夢を語ってくれたとき独特な、言いようのない感情が芽生えた。私は彼らが素敵な家庭を築く手助けをしたいと思った」とG1に語った。
もし将来、子供が生みの母を知りたがれば、彼女は応じると答えている。「マヤには2人のパパがいる。彼らが夢を実現させている。マヤが健康で自由に育ち、家族が幸せで満たされますように。マヤは自分がどのようにしてこの世に生を受けたのかを知るための準備ができるだろうと確信している。だからもし(自分を産んだ人に)会いたいと思っても問題ないと思うわ」
赤ちゃんは来月、帝王切開で生まれる予定。彼女には10代の実子がおり、その子育ての経験を共有しながら二人をサポートしていきたいと考えている。