ジェラルド・アルキミン副大統領兼商工開発相(ブラジル社会党・PSB)は3日、トヨタ自動車がブラジルでの新型車生産に向け、今後数年間で110億レアル(約3340億円)を投資すると発表した。公式発表は5日に、トヨタの工場があるサンパウロ州内陸部のソロカバ市で行われると、3日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じている。
アルキミン氏は、「トヨタはブラジルに進出して66年になり、ブラジルのサプライチェーンの強化に多大な貢献をしてきた。今回の発表は、この偉大な日本企業がブラジル経済に寄せる信頼を明確に示すものだ」と自身のSNSに投稿した。この投資により、2千人の雇用が創出されると見込まれている。
副大統領はこの投稿で、「緑のモビリティと革新(Mover)プログラム」と「未来燃料プログラム」にも言及。ブラジルはこれらの取り組みにより、「自国のモビリティを脱炭素化するために大規模な投資を推進し、エネルギー基盤をさらに持続可能にしている」と強調した。
Moverプログラムは、自動車車両に要求される持続可能性を高め、税制優遇措置を通じて、モビリティとロジスティクスの分野における新技術の生産を刺激する。
一方、未来燃料プログラムは、ブラジルでの温室効果ガス排出量削減とバイオ燃料の使用と生産の促進を目的とするための一連のイニシアティブを有している。
昨年末、ブラジル政府が打ち出した「脱炭素化」を目指すプログラムの開始後、ルノー、フォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズといった競合大手も相次いで同様の投資計画を発表している。先月には韓国の現代自動車グループのチョン・ウィソン会長がルーラ大統領と会談し、2032年までにブラジルでのハイブリッド車、電気自動車、グリーン水素自動車の生産に11億米ドル(54億レアル、1655億円相当)を投じる計画を発表しており、ルーラ大統領は再工業化政策における自動車部門の重要性を強調していた。