ブラジルは「世界の穀倉地帯」=地球人口の11%分の食糧生産

ブラジルの主要穀物輸送港であるパラナ州のパラナグア港 (@Fotos Publicas)
ブラジルの主要穀物輸送港であるパラナ州のパラナグア港 (@Fotos Publicas)

 BTGパクトゥアル銀行が4日に顧客に配布した報告書によると、ブラジルは少なくとも七つの食品分野で輸出の世界首位に立っており、人口2億人強の同国は現在、地球上の人口の11%に相当する約9億人分のカロリー必要量に相当する食糧を生産している。ブラジルは「世界の穀倉地帯」として重要な役割を果たしていると同日付CNNブラジル(1)が報じた。
 同行調査によると、ブラジルは大豆(世界の総輸出量の56%)、トウモロコシ(31%)、コーヒー(27%)、砂糖(44%)、オレンジジュース(76%)、牛肉(24%)、鶏肉(33%)で、それぞれ世界最大の輸出国となっている。さらにエタノールと綿の2品目でも第2位につけており、米国を抜いてトップに躍り出る勢いだ。
 同報告書は「熱帯農業の奇跡」を示す一連の数字を挙げている。例えば、穀物生産量は1977年の4700万トンから、現在は3億1200万トンまでに増加した。2000年以降、農業生産性は58%増加し、同期間の成長率は新興国で37%、先進国で32%だった。
 ブラジルのアグリビジネスに対する資金調達先の変化も重要だ。同行は、農業への資金融資が公的補助金に基づくものから、より市場志向のアプローチへ移行していることを指摘。2023/24農年は、資金の67%が民間セクターからのもので、政府からは33%だった。
 ブラジルの国土のうち農地が占める割合はわずか8%にもかかわらず、世界人口の11%の需要を満たすのに十分な食料を生産している。アルゼンチンでは国土の14%、米国と中国では18%、フランスでは58%、インドでは61%だ。この高収量は、農業技術と農法の大幅な進歩に加え、恵まれた気象条件が重なった結果といえる。
 報告書では「ブラジルの牧草地は質、生産性ともにまだ貧弱」と述べられ、牧畜に使われる7300万ヘクタールのうち4割が「中程度もしくは重度に劣化している」と推定する。しかし、これらの牧草地を耕地に転換することで、農業生産をさらに増加させる機会をもたらす可能性があると示唆する。
 2023年、伯国のアグリビジネス製品の輸出総額は1665億5千万米ドルを達成し、輸出総額の49%を占めた。同部門の貿易収支は、前年比62%増の約990億米ドルに達した。

最新記事