
定期的に受けている内科検診のために血液検査の結果などが必要になったため、保健所へ行った。検査結果を印刷してもらっている間、馴染みの看護師が受付に「新型コロナの検査」と言いながら統一医療保健システム(SUS)のカードと番号札を渡すのを見た。「検査受ける人増えてる?」と訊くと、「すごく」との答えが返ってきた。
新型コロナの感染者増加傾向は、2月以降に身近な人達が相次いで発症していたことから明らかに感じていた。2月中はコーラスの関係者で3人、知人の家族で4人、果ては、職場で接した人が2日後に受けた検査で陽性だったから、検査を受けたら自身も2日目に陽性になったというコラム子の長女と、挽きも切らない。
おまけに、先の看護師は「あなた達とよく話していた○○さんも陽性だったわよ」と告げて持ち場に戻って行った。保健所で検査を受けた人は保健省の統計にもやがて入るが、自宅での検査で感染を確認し、隔離生活に入った人は統計に入らない。
統計に入らない感染者もいることは承知の上で保健省の公式サイトを見ると、今年に入ってからの死者は毎週200人前後だが、新規感染者数は感染学上の第1週(12月31日~1月6日)の1万9950人の後、第6週(2月4~10日)までが3万人台、第7週は4万5177人、第8週は(2月18~24日)6万9234人と急増中だ。
今回の感染者増はカーニバルの影響もありそうだ。専門家も警鐘を鳴らしていたが、昨年もカーニバル後に増えている。
また、6万9234人という数字は、オミクロン株による感染者急増が予防接種拡大で減少し始めた昨年1月29日~2月4日(第5週)の7万4441人以来の大きなものであることも気にかかる。
昨年の予防接種で得た免疫力が時間経過で落ちたこと、新しい変異株の蔓延も、感染者増加の原因と考えられる。
最近感染した知人の一人は昨年3~4月に5度目の接種を受けたが感染しており、風邪の様な症状が続いていても「4回予防接種を受けたから罹る訳がない」と言う人を、「5回接種を受けても罹った」と諭したという。
うちの長女やこの知人は今もアルコール消毒液や石鹼をこまめに使い、人一倍感染予防に注意していたが感染した。

現在は新型の変異株(オミクロン株の下部変異株)も複数確認されており、追加の補強接種を受けていない人はなおさら要注意だ。
今年はデング熱や新型コロナだけでなく、インフルエンザの流行報告も例年より早い。デング熱はボウフラ撲滅、新型コロナはこまめな消毒やマスクなど、既に知られている対策が複数あるが、それでも起こるのが流行や感染拡大だ。一人の感染は周囲への感染にもつながることを忘れず、互いの健康状態に注意し、必要な対策を講じたい。検診時には次の補強接種のことも訊かなければと思いつつ。
(み)