ルーラ大統領は6日、スペインのペドロ・サンチェス首相を大統領府に迎え、二国間関係、グローバル・ガバナンス機関の改革、世界で進行中の戦争、そしてメルコスルと欧州連合(EU)の自由貿易協定の見通しなどについて二国間会談を行った。同日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
サンチェス首相のブラジルへの公式訪問はルーラ大統領の就任以来初めてで、カルロス・クエルポ経済相とシアナ・メンデス商務長官、企業使節団なども来伯した。
ブラジル外務省によると、スペインは現在、ブラジルにとって2番目に大きな投資国で、エネルギー、銀行、通信、保険などの分野に進出している。投資総額は推定590億ドルで、近年の年間投資額は約33億ドルだ。
ルーラ大統領は同会談の主要テーマの一つであるメルコスルとEUの貿易協定について、交渉が停滞しているわけではなく、ブラジルは既に署名する準備ができていると発言。双方が政治的、経済的、地理的に同協定を必要としていると強調した。
一方、サンチェス首相も協定締結を支持する立場を取り、「交渉を終了する義務」があると主張。ブラジルとの協力に積極的な姿勢を示した。
同日付アジェンシア・ブラジル(3)によると、サンチェス首相はガザ地区の紛争について解決策を模索していると述べ、敵対行為の終焉とパレスチナとイスラエルの二つの国家の承認を提唱。これらの原則に基づき、ブラジル政府と共にパレスチナの和平に取り組むことができると述べた。また、イスラエルが国際人道法を遵守しているか否かについて、疑問を呈した。
一方、ルーラ大統領は、イスラエル政府の行動を再び非難し、国連安全保障理事会の無策を批判。パレスチナとの間の人道的停戦が必要であり、民間人を支援する必要があると主張した。
同日午後には、ロドリゴ・パシェコ上院議長(社会民主党・PSD)、アルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)とも個別会談を行った。(4)
パシェコ氏は、ブラジルとスペインの間には多くの共通点があり、両国ともに民主主義の重要性を高く評価していると強調した。一方、サンチェス首相はブラジルとの二国間関係は「戦略的」と述べ、両国間の関係を「優れている」と評価した。
サンチェス首相は、「二国間だけでなく、欧州と多国間の観点からも、我々はブラジルをG20の議長かつ建設的なパートナーとして支援する」と述べた。
スペインにとっても、ブラジルはラ米における重要な市場であり、スペインの大手多国籍企業やその他の中小企業のためのビジネス開放に重点を置いている。サンチェス首相はサンパウロ市も訪れ、スペインのインフラ系大手企業のアクシオナ社が主導する、地下鉄延伸工事を視察した。
同首相はブラジル訪問後にチリを訪問。ガブリエル・ボリッチ大統領とも会談することになっている。