【既報関連】ベネズエラ大統領選が7月28日に決まったことを受け、ルーラ大統領は6日「可能な限り民主的な選挙になることを願う」とし、野党が選挙の公正さを疑問視しないことを望むと述べた。ルーラ氏のこのコメントが反マドゥロ派の反発を引き起こしていると、6日付エスタード紙(1)が報じている。
ルーラ氏は、ベネズエラ大統領選の日程が決定したことに安堵したとする一方、ボルソナロ前大統領が主張した証拠のない選挙に関する不正の疑いについて触れ、それとベネズエラ選挙の公正性に対する疑念に類似性を見出した。
ベネズエラの状況を、南米史上最大の汚職事件「ラヴァ・ジャット作戦」で有罪判決を受けたために投獄された2018年の自身の状況と比較した。その年の大統領選挙に出馬できず、代理候補としてフェルナンド・ハダジ氏を指名した。
1999年以来、ベネズエラはウゴ・チャベス氏の独裁政治に支配され、民主主義を弱体化させた。13年の彼の死後、副大統領のマドゥロが昇格。以来同じ政策を続け、選挙に干渉して野党を弾圧し続けている。
最も深刻な事件はマリア・コリーナ・マチャド氏が、マドゥロ政権によって選挙出馬を禁止されたことだ。23年にバルバドスで行われた協議では、24年に国際機関の監視下で大統領選挙が行われることが合意され、その直後に唯一の対抗馬として93%の賛成多数で彼女が選出された。
しかしチャベス派に連なる判事らによって占拠されている同国最高裁判所(TSJ)は1月、マチャド氏は15年間公職に就く資格がないと判断。同判決文の中で「彼女は反マドゥロ派指導者のフアン・グアイド氏が指導した汚職の陰謀に加担した」と書いている。
ルーラ氏は、ボルソナロ氏による電子投票機の信頼性や選挙司法の中立性に関する疑念について、「ベネズエラで選挙に参加している人々が、選挙プロセス全体で公正性を否定する習慣を持っていないことを願う。選挙が行われる前に疑念を抱くことはできない。選挙が行われるまで、個人や政治家は無罪と見なされるべきだ」と述べた。
6日付カルタ・カピタル(2)によると、マリア・コリーナ・マチャド氏はこの一連のルーラ氏の発言に反発し、「予備選挙で私に投票した数百万のベネズエラ人と、自由な大統領選挙で投票権を持つ数百万人の権利を守るために、私は戦っている。あなたはご自分が支持する、バルバドス協定と憲法を破る独裁者の権力乱用を正当化している。真実は、マドゥロが私に対して恐れを感じているということだけだ」とSNSに投稿した。
ベネズエラの独裁者ニコラス・マドゥロ大統領は、最近数週間で政治的対立者への弾圧を一段と強化した。チャベス派が支配する選挙司法裁判所は、マチャド氏だけではなく国連人権機関の職員を国から追放した。また、チャベス独裁体制の最高指導部に対する疑念を報じたとの理由で、ドイツの放送局「ドイチェ・ヴェレ」の放送を禁止している。