ミレイ大統領=2月インフレは「悲劇的数字」=13・2%だが減速明らか

アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領(13日付インフォマネーの記事の一部)
アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領(13日付インフォマネーの記事の一部)

 アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は13日、2月の消費者物価指数が13・2%上昇したことを「悲劇的な数字」と評し、20年間の左派ポピュリズムの「災害」の産物と説明した。同国のインフレ率は12月の25・5%、1月の20・6%と比べ、2月の13・2%なので、明らかに減速傾向にあると13日付インフォマネー(1)が報じている。
 ミレイ氏は現地のラジオ・ミトレのインタビューで、「このインフレ率が悲劇的な数字であることは事実だが、文脈を考慮しなければならない」と述べ、キルチネル副大統領に代表される左派ポピュリズムによる20年間にわたる政策の結果だと付け加えた。
 現地紙のクラリンによると、ミレイ氏は2月の変動には前政権によって凍結された物価の回復、前払い金、統計上の移転など特別または非経常的な要素があったと指摘。「これら三つの要素を合計すると6%ポイントになる。実質のインフレ率は一桁台7%程度になるだろう」と述べた。
 政府はインフレ圧力を緩和するための措置を講じており、12日には基礎食料品セット(cesta básica)の輸入促進を認可した。同大統領によると、輸入開放はプライスメーカー(市場において自社に有利な価格を設定できる企業)が2500ペソ近いドル高を想定して商品価格をつけたからだが、並行レート(青ドル)は1・00ペソ前後に落ち着いた。
 同大統領は「この状況に対処するため、価格形成者や経済主体がプロモーションを開始した結果、価格はドル建てで高くなった。そのため、我々は外国為替市場の状況に応じて市場を開放。競争を促進してディスインフレのプロセスを加速する予定だ」と語った。
 しかし、ミレイ氏は、これらの対策をとっても複雑な季節的要因により、3月の消費者物価指数は予想より高くなる可能性があると警告している。さらには、年金調整が強い影響を与えるとしている。
 ブラデスコBBIもリポートの中で同様の警告を発し、3月の月次インフレ予想上昇の主な要因として、年金の定期的な再調整を挙げた。「更なる通貨切り下げの可能性は、循環的なインフレ動向にとって重要なリスクだ。ただし、財政調整がうまくいけば、5月以降、インフレ率は再び低下し始めるだろう」と同行はコメントしている。
 イタウー銀行は、エネルギー、輸送、燃料価格などの価格修正を反映し、少なくとも2024年第2四半期までは月次インフレ率が2桁台で推移すると予想。同行は「2024年末のインフレ率予想は180%で、2月の結果が予想を下回ったにもかかわらず、上昇リスクがある」と報告した。

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