神戸市のNPO法人・関西ブラジル人コミュニティ(CBK)代表の松原マリナさん(70、2世)が19日午後2時55分、亡くなった。2017年頃にがんの診断を受け、闘病しながらブラジル人児童にポルトガル語を教える活動を続けていた。21日午前、神戸市内のカトリック教会で葬儀が行われる予定。
父が静岡県出身、母が熊本県出身で、本人は1953年にサンパウロ州で生まれた。元サッカー選手の夫、松原ネルソンさんが北海道札幌でサッカー教室のコーチに就任したことから1988年に訪日。
95年に夫がヴィッセル神戸ユースのコーチになった関係で神戸市に移り、カトリック鷹取教会の「たかとりコミュニティーセンター」でボランティアを始めた。同センターは95年の阪神淡路大震災後、同市に在住する諸外国人の情報交換の場として設立された。
3人の娘の子育てが一息ついた98年から、デカセギ子弟として多数訪日していたブラジル人児童の学習支援や通訳を始めた。同センターから2001年2月、マリナさんが同コミュニティを設立。笠戸丸が神戸港を出港した日を記念して、毎年4月29日に移住祭を開催するようになった。このような支援が認められブラジル外務省から在神戸名誉領事に任命された。22年4月の春の叙勲では旭日双光章を受勲した。