「ルーラ氏は盗難の虚偽報告」=実はあった大統領官邸の家具

大統領官邸(20日付テラ・サイトの記事の一部)
大統領官邸(20日付テラ・サイトの記事の一部)

 ジャイル・ボルソナロ前大統領(自由党・PL)が2022年末に大統領官邸を去った際に、ルーラ大統領(労働者党・PT)が〝持ち去った〟と示唆していた家具261点が、実は大統領官邸のあちこちにあったと、連邦政府社会コミュニケーション局が20日に発表したと同日付オ・グローボなど(1)(2)が報じた。
 アルボラーダ大統領官邸(Palácio da Alvorada)は専用公邸で、パラノア湖のほとりに位置し、ブラジリア遷都にあたり1958年6月30日に連邦首都に開設された最初の建物だ。大統領が昼間に仕事をするのはプラナルト宮(Palácio do Planalto)。
 昨年1月に就任したばかりのルーラ大統領がジャーナリストらとの朝食記者会見の最中に、「ボルソナロによって持ち去られた」と示唆していた。ファーストレディのジャンジャ氏もグローボ局ジャーナリストをわざわざ招いて官邸内のあちこちを見せ、破損していることを確認させた上で、「ボルソナロ夫妻が全てを持っていった」と非難していた。これには破れた絨毯やソファ、損傷した床、浸水なども含まれていた。
 そのため大統領官邸の改修工事をまず行うことになり、ルーラ大統領夫妻の引っ越しはその分遅くなり、2月6日に行われた。連邦政府は、官邸の大統領スイートの装飾や家具6点等に19万6770レアル(約600万円)を費やしたとされる。
 最も高価な家具は、頭と足をリクライニングさせる装置を備えた6万5140レアルのソファと、4万2230レアルのキングサイズのベッドで、どちらも乾燥を防ぐための特殊な加工が施された100%天然イタリアン皮革で覆われている。
 大統領府は2023年4月の声明で、「大統領官邸の家具の欠如と劣悪な保管状態により、買い替えを必要とした」と述べている。「購入された資産は連邦政府の資産の一部となり、将来の大統領がそこに住む際に使用されるだろう」との説明がなされた。
 ボルソナロ氏は20日、自身のSNSで「結局、家具はすべて大統領官邸にあった。ルーラ氏は盗難の虚偽報告を行った」と書いた。

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