ブラジルで活躍した日本人、日系人美術家11人の主に60年代の作品を集めた美術展「A Realidade Maxiamadas Coisas(物事が醸し出す絶妙なる現実)」が、サンパウロ市のガレリア・フレンチ(Rua Dr. Melo Alves, 400 – Cerqueira Cesar)で16日から6月1日まで開催中だ。平日は午前10時から午後6時、土曜日は午後2時まで。
今年6月18日の日本移民116周年、9月14日の間部学生誕100周年を記念して、同ギャラリー今年最初の企画展として、有名ジャーナリストのジャコブ・クリントウィッツさんがキュレーターを務めた。
この展覧会に選ばれた11人は、フラヴィオ志郎(1928年生まれ)、森ジョルジ(1932―2018)、若林和男(1931―2021)、間部学(1924―1997)、湯浅恵(ゆあさめぐみ、1938)、福島崇(たかし、1950)、福島近(ちかし、1920―2001)、大竹富江(1913―2015)、楠野友繁(1935)、豊田豊(1931)、藤田嗣治(1886―1968)。いずれもブラジル美術界に鮮明な足跡を残した人物ばかりだ。
中でも藤田嗣治はフランスに帰化してエコール・ド・パリの代表的な画家というイメージが強いが、実は1930年代には南米、特にブラジルでも活躍していた。その他、日本人的なセンスをブラジル美術界に持ち込んだ際の様々な試行錯誤の跡が、それぞれの画家の作品に散りばめられている。
同ガレリア・サイトにはPDF版カタログ(https://www.galeriafrente.com.br/catalogo/9-a-realidade-maxima-das-coisas.pdf)が置かれている。