全伯俳句大会8月18日=兼題「冬季一切」5月末〆切

宮川さん、小斎さん、吉田さん

 ブラジル日本文化福祉協会主催の第15回全伯俳句大会(宮川信之実行委員長)が8月18日に文協ビルで行われるに当たり、兼題を募集している。今年から兼題と席題の授賞式を当日に会場で行う。編集部を訪れた宮川実行委員長は「皆さまこぞって投句、大会参加をお待ち申し上げております」と呼びかけた。
 念腹忌俳句大会は2019年の第41回まで対面開催だったが、パンデミックのために2020年以降は紙上大会に変わった。毎年4月にリベイロン・ピーレスで開催されていた虚子忌大会も昨年が最後だったという。選者の小斎棹子さん(87歳、北海道)は、「各派が対面で集まる合同の俳句大会はこの全伯大会が唯一になりました」と寂しそうに述べた。
 選者の吉田しのぶさん(88歳、広島県)も「念腹さんは遺言で、俺の俳句大会はやらなくていいから、虚子忌は続けてくれと言っていました」としみじみ振り返った。〝ブラジル俳句の父〟佐藤念腹は日本では高浜虚子の弟子で、1927年に移住する際、師匠から「畑打って俳諧村を拓くべし」という餞別句を贈ってもらった。
 小斎さんに俳句との出会いについて尋ねると、19歳の時、1956年に大学2年を中退して家族移住したが、当初は当地のことがイヤで仕方がなかったという。「3年目に句会に初めて行った。皆さん小学校も出ていないとお聞きしたのに、すごい語彙力で、難しい漢字もご存じで驚き、俳句を作るためにさぞや真剣に独学されたのだろうと思い、その真摯さに打たれてブラジルに残ろうと決意しました」との経験を述べた。
 1961年にブラジル訪問した吉田さんは、「1972年頃からサンパウロ市で高野耕声(たかのこうせい)さんの句会で、佐藤念腹さんが毎月バウルーから出て来て指導していた。40数人の参加者の大半が戦前移民で、しかも夫婦(めおと)俳人だったのに驚いたの。念腹さんが何かしゃべる時は、シーンとして凄く真剣で怖い雰囲気だった」と往時を振り返った。
 今回の全伯俳句大会当日は午前8時から受付、9時から開始。参加費は一人60レアル。席題「春季一切」5句投句で、当日テーマを出す。
 兼題「冬季一切」5句投句(投句無料)で締切は5月30日必着のこと。その際、出欠の有無を明記すること。兼題の投句に用いる投句用紙は本紙5面に掲載、市販の原稿用紙のマス目を使用しても可。投句用紙は文協事務所でも配布する。各自文協宛て投句、または句会でまとめて投句も可。その場合、規約に従い選者が投句に関与してはならない、また選者は投句できない。
 投句宛先(Rua São Joaquin, 381, Liberdade, CEP 01508-900 – São Paulo – SP – Brasil (ハイクと明記)。メール宛先(evento@bunkyo.org.br)、ワッツアップ(11・9639・02404)、問い合わせの電話(11・3208・1755)
 【大会実行委員】吉田しのぶ、児玉和代、串間いつえ、太田映子、西谷律子。【兼題選者】小斎棹子、児玉和代、吉田しのぶ、伊那宏、串間いつえ、馬場園かね、広瀬芳山、久保一光、白石佳和。【席題選者】伊那宏、小斎棹子、吉田しのぶ。

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