25日付G1サイトなど(1)(2)によると、サンパウロ州保安局が25日、2月の強盗事件(積み荷強盗や銀行強盗も含む)は昨年同月比で10・7%減の1万6455件で、11カ月連続で前月比割れを記録した上、2月としては統計開始以来、最低だったと発表した。強盗事件はサンパウロ市でも、1万1141件が1万45件にと9・8%減少した。
また、最初から殺すつもりで起こした殺人事件は216件で、昨年同月の222件より3%減。ただし、サンパウロ市での件数41件は昨年同月を32%上回った。
強姦は昨年同月の1110件を10・8%下回る995件で、6カ月続いた増加傾向が途切れたという。強姦事件は被害届が出ていない場合も多いが、サンパウロ市では220件で昨年同月を16・3%下回り、サンパウロ大都市圏では170件で昨年同月より20・2%減少など、全域で減った。
州保安局は、強姦事件減少は、被害届を出し、加害者を告発することを促し、被害者を保護するための支援体制強化と、市民の信頼を得ようとする試みが奏功した証拠と見ている。
一方、強盗殺人は昨年同月の11件が16件にと45%増加。被害者に暴行や脅迫を加えず、物品だけ奪う窃盗事件(万引きや空き巣狙いも含む)も、昨年同月を1041件(2・4%)上回る4万5042件起きており、意図的に起こした傷害事件も昨年同月の1万1333件が1万2033件にと6%増えた。
コラム子が見た記事では、女性殺人や警察官による殺人、詐欺などの数字は出ていなかったが、失業者が増え、生活が困窮している人が多いと強盗事件が増えるなど、犯罪は政治、経済、社会的な動向を反映する。そういう意味で強盗や強姦、殺人事件の減少は喜ばしい知らせだが、やはり、望むところは犯罪のない社会だ。
また、サッカー元代表選手2人が起こした強姦事件を受けて、パルメイラスの会長で今月行われた親善試合のための選手団の長でもあるレイラ・ペレイラ氏が女性として語った、「全ての女性への顔面への平手打ち」であり、「不処罰の事件は次の犯罪への種だ」との言葉(21日付エスタード紙サイトなど(3)(4)参照)は全ての人の胸に刻んで欲しいと思う。
今週はイースター(復活祭)前の聖週間で、29日は受難日だ。先週、知人が子供の頃、田舎ではキリストが墓の中に葬られていた土曜日に鶏泥棒が多発したと教えてくれた。キリストを裏切った後に自殺したイスカリオテのユダを模した人形を棒で叩く風習が各地で見られたことなども語り合ったが、当時ののどかさは段々失せている。
ウクライナやガザ地区のような戦争ほどの悲惨さはなくても、犯罪は人々の生活を破壊し、心の荒廃や人間不信なども引き起こす。人々が神との平和を取り戻すために世に下ったキリストがその使命を果たすために十字架にかかって死に、復活したことを記念する時だからこそなお、犯罪のない平和な社会をと強く望みたい。(み)