ピラール・ド・スール=「日系人の歴史と今を映像で」=尾曾さん、制作支援を呼びかけ

(提供写真)インタビューを行う尾曾さん(左)

 ブラジルの非営利団体「ブラジル日本交流協会」(神戸保会長)の研修プログラムで2022年にサンパウロ州ピラール・ド・スール市の日本語学校で1年間の教師研修を行った尾曾菜穂子さん(茨城県出身、24歳)が、日本移民に関するドキュメンタリー映像作品を制作するため、3月2~19日に再びブラジルを訪れた。尾曾さんは作品制作にあたって、クラウドファンディングを立ち上げ、5月16日まで支援協力を呼び掛けている。

 尾曾さんがブラジルを初めて訪れたのは高校生の時。高校1年生の頃、日本に留学で来ていたブラジル人学生と仲良くなり、その1年後に留学生を訪ねて1カ月間ブラジルに滞在した。滞在中、ブラジル日本交流協会の存在を知り、大学在学中に再渡伯を決意。コロナ禍もあり、念願の渡伯が叶ったのは大学卒業後だった。

 研修後は農業が盛んなピラール・ド・スールでの経験から、茨城県つくば市の農業福祉事業所に就職し、広報業務を担当した。
 ある日、在日ブラジル人を題材にした映画「ムイト・プラゼール」(朴正一・2022年)を観て感銘を受け、日系人の語りを映像に残したいと志すようになったという。
 尾曾さんは、ピラール・ド・スールの日系人の歴史と今を映像で記録し、次世代に引き継ぐ映像作品の制作を企画している。主な内容は、ピラール・ド・スールの町紹介やインタビュー動画で、作品はYoutubeチャンネルにアップされる。
 撮影を終え、帰国した尾曾さんは「ピラール・ド・スールで出会った人々や学んだこと、経験を形にしたいと思っていました。インタビューに協力してくれた人からは、『これまで誰にも言えなかったことを言えた』や『意義があるプロジェクト』など沢山の応援の言葉をもらいました。沢山の方の協力でこのプロジェクトはできています」と語った。

(提供写真)尾曾さんが2週間お世話になった寺尾さんご家族

 クラウドファンディングの目標金額は制作費用の60万円。28日現在、20人の支援者から12万3048円が寄付された。尾曾さんは目標金額に達しない場合でも、自費で作品制作を続け、発表する方針だという。
 「私がピラールで心動かされたストーリーが、より多くの人に届いたら幸せです。日系人の歴史と現在の姿を映像で記録し、未来へ繋げるために、1人でも多くの方から支援を頂ければありがたいです」と語った。
 クラウドファンディング協力者にはお礼として、手紙やブラジルの写真、限定映像のアクセス権が贈られる。
 クラウドファンディング支援などに関する問い合わせは尾曾さん(メールnnaokoo.05@gmail.com)まで。
クラウドファンディングサイト:
https://camp-fire.jp/projects/view/744802?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_open
Instagram: @documentariodenikkei
https://www.instagram.com/documentariodenikkei
Youtube: @OSONAOKO
https://youtu.be/3D7dURQuPCM?si=VtLPnNTTMjhRXJbp

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