飼い犬が迷い出た赤子を保護=車道に入らないよう寄り添う

保護された赤ちゃんは飼い犬に守られていた(3月29日付G1サイトの記事一部)
保護された赤ちゃんは飼い犬に守られていた(3月29日付G1サイトの記事一部)

 ブラジル北部パラー州ベレン市で3月27日の夜中、両親が疲れて眠っている間に1歳8カ月の赤ちゃんが家を抜け出し、交通量の多い通りを歩いていたところを警察に保護された。まだ足元もおぼつかないオムツ姿の赤ちゃんの側には、1匹の茶色の雑種犬がピッタリと寄り添い、道路に飛び出して車に轢かれないように守り続けていた。この犬の健気な振る舞いが話題を呼び称賛を浴びていると、3月29日付G1サイト(1)が報じている。
 赤ちゃんはマルコ地区のドゥケ・デ・カシアス大通りで見つかった。救助活動に参加した警官のライムンド・カルロス・カストロさんは、「我々が発見したとき、赤ちゃんは今にも車道に入ろうとしていて、横にいた犬がその子を行かせないようにしていました。道の脇に寄せ、守っていたのです」と状況を説明。
 「赤ちゃんの両親は仕事から疲れて帰宅し、自宅のドアに鍵をかけ忘れたと話しています。赤ちゃんは夜中に目を覚まし、一人で冒険に出かけることにしたようですが、この家で飼われていた犬が心配して後ろを追いかけていったので、その子は無傷で済みました」と話した。
 警官らは、付近で強盗事件の処理を行い、容疑者を警察署に連行していたところ、路上で防犯カメラを監視していた別の警官から通報を受けたという。
 「映像に赤子が一人で路上にいるのが映っており、確認しに現場へ急ぎました。我々が近づくと、犬は赤ちゃんを守ろうと警戒する反応を見せたのです。赤ちゃんは最初怖がっていましたが、私のところに来てくれて、無事保護することができました」とカストロさんは説明した。
 警察はサイレンを鳴らし、赤色灯を付けた警察車両で、門の開いている家、あるいは子供が外に出た形跡のある家を探しに回った。子供が救出された場所に近い、チャコ通り沿いにある家の門が開いていた。パトカーの音で近隣住民が目を覚まし、赤ちゃんの両親もすぐに現れたという。彼らは赤ん坊がいなくなったことに気づいておらず、驚き、そして感謝した。
 赤ちゃんが発見されたのは、自宅から300メートルほど離れた場所だった。警備員は応急処置を施し、児童虐待の形跡がないかチェックしたが、それは否定された。
 赤ちゃんと犬は無事に家族に引き渡された。その警官は、「過失だと言う人もいます。しかし、怠慢ではなく、疲労からきたもの。とても謙虚な家族ですが、苦労が多いようで、父親はキッチンカーでスナックを販売しており、明け方まで働いています。仕事で疲れて帰ってきて、ドアの鍵を閉め忘れて寝てしまったのです。このようなことは、どの家庭にも起こりうることで強く責められるべきではないでしょう」と同情した。

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