朝方からの雨がやみ、晴天の中で行われた安永家の110周年祝賀会。アトラクションとして健康体操の一団が舞台で踊りを披露している最中、突然音楽が止まった。会場参加者の一人が急に体調を崩してしまったのだ。
居合わせた全員に緊張と心配が走ったが、ここで大家族の力が発揮された。
この日の安永家参加者の中には医者が2人もおり、彼らを筆頭にすぐに救護態勢が敷かれた。余談だが、安永家には歯科医は13人以上いるという。
医者2人による救急処置が行われている間に、他の参加者はおもむろに机や椅子を端に寄せ、車が入れるスペースを確保し、車が到着すると体調を崩した男性を数人で持ち上げ車内に入れた。救急道具や荷物を渡す途中に車が発車してしまうと、足の速い若者がリレーのバトンの如く荷物を受け取り、車を追いかけて届けた。病院に向かう車を見届けると、端に寄せた机はすぐさま元通りになり、祝賀会は再開された。
この機敏な助け合いの連携は、安永家が長年にわたって築き上げてきた絆の賜物で、称賛に価するものだ。移民の歴史ともにこの家族の絆も何百年先へと残していってほしいと心から思った。(莉)