米国経済雑誌フォーブスは2日、「世界で最も若い億万長者ランキング」を発表し、19歳のブラジル人女性リヴィア・ヴォイト氏がトップに立った。彼女は、亡き祖父ヴェルネル・リカルド・ヴォイト氏が共同設立した電気・電子機器を製造する多国籍企業「ヴェグ」(本社サンタカタリーナ州ジャラグア・ド・スル市)の少数株主として11億米ドル(55億レアル、1668億円相当)の資産所有と4日付UOLなど(1)(2)(3)が報じた。
同ランキングは資産と年齢を考慮してランク付けされ、資産額が同じであった場合、年齢が低い方が上位。リヴィア氏は大学在学中で心理学を専攻。彼女の姉ドラ・ヴォイト氏(26歳)も同額の資産を持ち、9位にランクインした。両者ともヴェグ社の3・1%を所有している。
ヴェグ社の株主は29人で全員が同誌長者番付リストに名を連ねている。そのほとんどは創業者の子孫だが、各々が異なる株を受け取っていたという。
同社は3万9千人以上の従業員を擁し、37か国に支社、15か国に工場を構えている電気・電子機器メーカーで、合計約1500の製品ラインを展開している。
同社は1961年に同州ジャラグア・ド・スル市で、それぞれ電気技師、管理者、機械技師の技能を持つヴェルネル・リカルド・ヴォイト、エゴン・ジョアン・ダ・シルバ、ジェラルド・ヴェルニンハウス3氏によって設立された。「ウェグ」の名称はこの創業者らの頭文字をとったもの。
同社サイトによると当初は電動モーターを生産していたが、1980年代以降は電気電子部品、産業用オートメーション、電力・配電用変圧器、液体・粉体塗料、電気絶縁ワニスなどの製造にも参入した。
1971年には企業の株式が証券取引所に上場。グアテマラ、ウルグアイ、パラグアイ、エクアドル、ボリビアへの輸出が始まり、73年にはモーター輸出が20カ国に達した。
同社はその歴史の中でアルゼンチンの塗料メーカーPulverluxや、デンマークの販売業者Fournais A/Sなど、他の企業も買収した。2001年に初めて10億ドルの利益を達成し、2023年には325億レアル(約9750億円)の売り上げを出した。
同ランキングに入った25人中15人が欧州出身で、残りの10人はブラジル、韓国、香港、日本、米国の出身者だ。
唯一の日本人である33歳の佐上峻作氏は、中小企業の合併・買収(M&A)を仲介する「M&A総合研究所」を創業し、人工知能(AI)を駆使してクライアントのマッチングを行い、注目を集めている。2022年6月の株式公開以来、同社の株価は800%以上上昇し、今回億万長者の仲間入りを果たした。