【既報関連】本紙18日付(1)にある、リオ市で1万7千アル(約50万円)融資を引き出そうと死亡した高齢男性を車椅子に乗せて銀行に入店した女が逮捕された事件で、その男性は家を出る時はまだ生きており、銀行に入る直前に亡くなった可能性があると警察が発表したことで、余計に謎が深まっていると18日付テラ・サイトなど(2)(3)が報じた。
事件があった16日、パウロ・ロベルト・ブラガさん(68歳)と、その姪と自称するエリカ・デ・ソウザ・ヴィエイラ・ヌネス容疑者(42歳)を乗せた配車アプリの運転手は、ショッピングセンターの駐車場で下車する際に「パウロさんがドアを押さえた瞬間を目撃した」と警察に証言した。
調書によれば、目的地のイタウー銀行バング支店前は車の乗り入れが禁止されているため、運転手は2人を近所のショッピングセンターまで送り届けた。運転手によると自宅から乗車する際、エリカ容疑者は別の青年の手を借りてパウロさんを車に乗せたという。その際、エリカ容疑者の娘たちも手伝い、パウロさんの脚を持って後部座席に乗せたという。
乗車を手伝ったこの青年はパウロさんをよく知る仲で、警察に対して「車まで運ぶ時にはまだ息があり、手に力があるのがわかりました」と証言した。
法医学研究所(IML)が作成した検死報告書によると、パウロさんの死因は逆流性誤嚥と心不全、死亡推定時刻は16日午前11時半〜午後2時半頃で、専門家は「車での移動中だったのか、銀行内だったのか、結論づけることはできない」との判断に至った。同文書によれば「技術的、科学的見地から断言できる要素はない」という。毒物検査の結果はまだ公表されていない。
銀行に入店する前、エリカ容疑者はパウロさんを乗せた車椅子を押しながら、同ショッピングセンターでウィンドーショッピングを楽しむ様子や、カフェでくつろぐ姿が防犯カメラにとらええられていた。
ただし、2人の姿を目撃していたショッピング内の従業員がバンジTV局の取材に応え、「高齢男性は間違いなくすでに死んでいた。彼は何の反応も示さず、体はぐったりしていて強い臭いがしていた。彼女(エリカ容疑者)に話しかけたとき、頭を下げたまま顔を見せようとせず怯えた様子だった」とも証言している。(4)
捜査担当のファビオ・ルイース警部は「おそらくパウロさんは到着した際はまだ生きていたが、ショッピングセンター内の防犯カメラを確認すると、その時点ではすでに彼の首が座らず頭がずり落ちてしまって動かない。その様子で銀行にも入った。少なくとも彼はその日、家を出られるような健康状態ではなかった」と説明した。
18日テラ・サイト(5)によると、エリカ容疑者はパウロさん名義で3回の融資を試みたとされている。証人によると、容疑者は携帯電話などを購入しようとしていた。ルイース警部によるとイタウー銀行以外にもBMG、Crefisaの金融機関へ訪問していたという。