正式な日程は未確認だが、「岸田文雄総理大臣が5月に来伯予定」に関して日系社会の期待が高まりつつある。19日に行われたブラジル日本商工会議所主催の昼食会に出席した林禎二駐ブラジル日本国特命全権大使やパウロ・テイシェイラ農業開発・家族農業省大臣により、「5月に来伯予定」であることが明言され、フォーリャ紙サイト19日付記事でも来伯予定に関して「3日ブラジリア、4日サンパウロでは」と報道された。
19日にサンパウロ市のインターコンチネンタルホテルで行われた商議所主催の昼食会では、林大使が挨拶の中で今年の日伯外交を振り返り「5月に大事な行事がある」と述べた。その上で、テイシェイラ大臣は「5月に岸田首相と会談する予定だ」と明らかにした。
テイシェイラ大臣は本紙取材に対し、5月に行われる岸田首相との会談で、「家族農業、日本産農業用機械の輸入、農業投入材の技術援助、農村改良、家族農業における荒廃地域の回復、森林農法などの分野で協力を話し合いたい」と述べた。
一方、日本経済新聞18日付《岸田外交、経済で「サウス」接近》記事にある岸田首相の来伯予定が、19日付フォーリャ紙サイトでは「岸田首相の来伯日程や議題は確認していないが、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領と3日に会談し、4日にはサンパウロ大学で講義を行う予定だ」と掲載された。
岸田首相のブラジル訪問の目的は、中国やロシアが発展途上国をリードしようとする動きに対抗して、自国と南米の経済関係を強化するためと日本側で報道されている。
園田明憲さん(76歳、鹿児島県出身)は本紙取材に対し、ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)の会長当時(2011~13年頃)に、海外日系人大会で岸田外務大臣(当時)と言葉を交わして握手をした際、「手が柔らかく、包み込むように両手で握手してくれたことが、昨日のことのように記憶に残っている」と振り返った。
現県連会長の谷口ジョゼさん(81歳、2世)も「2013年9月、外相時代の岸田外相が来伯された際、こどものその理事長として歓迎会に出席したことを憶えています。ニコニコして一人一人と丁寧にあいさつをされていた、とても優しい感じの人でした。今回お会い出来たら、今年の日本祭りでJICAから多大な支援を頂いていることへの感謝を伝えたい」と語った。
日本の現役総理大臣がブラジルを訪れるのは、2016年に来訪した安倍晋三氏以来8年ぶりとなる。
なお、本誌では、5月4日に「岸田総理大臣来伯歓迎特集号」を発行予定。祝意を示す名刺広告を募集中。