【本紙姉妹誌3日付NipponJa=樋口アウド編集長】ルーラ大統領の招きで、岸田文雄総理が今週金曜日と土曜日(3日と4日)に、ビジネス代表団を伴ってブラジルを公式訪問している。
金曜日(3日)には連邦首都で、ルーラ大統領はプラナルト宮殿で岸田総理を迎え、二国間会談と調印式を行う。その後、外務省で昼食会が行われた。
会談では、両首脳は貿易・投資の拡大、領事問題、科学技術・イノベーション、エネルギー転換におけるパートナーシップ、環境イニシアティブにおける協力など二国間の議題について協議した。
また、ブラジルが現在G20議長国を務めていることを踏まえ、飢餓と貧困と闘うイニシアティブ、ベレンでのCOP30(2025年)を見据えた気候変動、国連を含む国際的なガバナンスの改革、平和、安全保障、軍縮に関する話題についても協議を行った。
4日(土)にはサンパウロで、岸田文雄総理は日系ブラジル人コミュニティと学術・文化分野での交流活動を行うほか、ジェラルド・アルキミン副大統領兼開発・産業・貿易・サービス相とともに、両国の民間セクターのリーダーが集うブラジル・日本ビジネスフォーラムに参加する。
農業分野のパートナーシップをさらに強化
飯星ワルテル元連邦議員によれば、岸田文雄氏の首相就任は、「友好と二国間関係の強化を示す非常に重要なサインであり、相互補完的な経済関係にある両国は、双方が他方から常に利益を得ている」と考えている。
同氏によれば、ブラジルと日本は特に農業の分野において、パートナーシップをさらに強化することができるという。連邦議員時代に両国の橋渡しを積極的に行った飯星氏は、「ブラジルは日本への農産物の販売と輸出を強化することに非常に興味を持っており、同じように文化面でも、両国の社会文化的パートナーシップを見ることができます」と強調した。
治安改善
片桐キム下院議員にとって、岸田文雄首相のブラジル訪問は、日本の外交関係にとってブラジルが重要であることを示している。「ブラジルが日本と話さなければならない主要な問題のひとつは、自由貿易協定だと思います」とキムは説明する。彼によれば「両国にとって、経済を発展させることは非常に重要」だという。
「例えば、ヨーロッパとの間にあるような農業の対立とは違って、私たちには補完的な生産がある。日本とはそのような対立はありませんし、工業でも農業でも、この自由貿易協定によって両国が危険にさらされるような主要部門はありません。それどころか、両国は大きな発展を遂げることができる」と連邦議員は言い、首相と話す機会があれば「ブラジルが経験している治安の危機に対して、日本の支援をお願いしたい」と述べた。
「日本が世界で最も安全な国の一つであることはよく知られており、国民の安全を保証するために、最先端の技術を駆使しながらも、非常に伝統的な訓練を警察官に施している。この面で、日本はブラジルにもっと大きな貢献ができる」とみている。
税制改革
先日、日本訪問から帰国したばかりの西森ルイス伯日議連会長にとって、日本の岸田文雄総理を迎えることは「大変名誉なことであり、両国の友好と外交の絆をさらに強める絶好の機会」である。「岸田文雄氏はすでに外務大臣を務めており、日本における税制改革、住宅・低所得者向け学生支援プログラム、クリーンエネルギーへの投資など、重要な問題について多くの経験を持ち、確固たる姿勢を持っている。今回の対話と政治交流は、ブラジルと日本の将来のプロジェクトにとって大きな実りをもたらすと確信しています」と説明し、ブラジルと日本は1895年に友好通商航海条約に調印して以来、協力関係にあることを想起した。
4世ビザ
「1908年に日本からブラジルへの移民が始まりました。ブラジル人の訪日もありました。今日、ブラジル社会と日系社会は完全に融合し、両国の技術開発と経済成長を促進する二国間関係から、双方が恩恵を受けていると言えるでしょう」と西森議連会長は付け加えた。
「私たちはまた日本とメルコスール間の自由貿易や、ブラジルの牛肉や豚肉の販売について、総理に話をするつもりです。加えて、私たちは日系団体や在日ブラジル人4世ビザの問題にもっと注意を払うよう求めるつもりです」と強調した。