リオ・グランデ・ド・スル州で土砂崩れ下敷きに=家族仲良く抱き合ったまま

土砂で生き埋めになった家族、レチシアさんは右から2人目(12日付UOLサイト記事の一部)
土砂で生き埋めになった家族、レチシアさんは右から2人目(12日付UOLサイト記事の一部)

 リオ・グランデ・ド・スル州の大災害で最も大きな被害を受けた町の一つロカ・サレス市で、土砂に埋もれた家屋から家族5人の遺体が発見された。遺体はお互いに抱き合ったままだったと12日放送のグローボ局番組ファンタスチコが報道した。この家族は普段から仲が良く、いつも協力し支え合っていたと同日付UOLサイトなど(1)(2)も報じている。
 番組レポーターは、犠牲者の1人レチシアさんの姉クリスチアーネ・ガルシア・デ・ソウザさんに取材をした。2人が最後に会ったのは4月29日、妹のレチシアさんが夫のアンデルソンさんとともに、悪天候の予報を警告するため姉の家を訪れた。
 「レチシアが私に『姉さん、また家から荷物を取りださないとダメよ。災害はすぐそこまで来てるからね』って言ったの。でも私は『大袈裟ね、大丈夫よ。大したことないわ』って返答したんです。でも彼らが帰る頃には雨が強くなっていて、『雨が弱まるまで、もう少しここで待ったらどう? こんな悪天候では心配ね』って言ったんだけど、『いや、私達は帰らなきゃいけない。帰らなきゃ』って。それが最後の会話になりました」とクリスチアーネさんは振り返った。
 この訪問から数日後、長雨により発生した土砂崩れにより、幸せな一家を悲劇が襲った。
 クリスチアーネさんは、「家族はお互いに抱き合っていた。それが最期にできる唯一のことだったの。本当に仲の良い家族だったから。突然の悲劇に、まだ心の準備ができていないんです。いつ別れが来るかわからない」と涙を浮かべながら語った。
 捜索活動に参しているサンタカタリーナ州消防局によると母親、息子、息子の妻レチシアさん、そして13歳の娘の遺体が、抱き合った状態で亡くなっているのが5日に発見された。父親も同じ家の別部屋で死亡しているのが発見された。5人とも土砂に生き埋めになり、家は全壊だった。遺体は死後数日が経過していたとみられる。
 同市のアミルトン・フォンタナ市長によれば、新たな洪水で再び破壊される危険性があるため、公共施設や住宅を以前と同じ住所に再建することには意味がないとし、新しい居住区を模索する必要があると言う。同市はこの8カ月の間に、豪雨に関連した大きな気候災害に3度見舞われた。市街地の最大50%が住所を変えると推定されており、新しい住宅や、学校、工場、病院、市政本部などの公共施設を建設するため、市は安全な地域の特定調査を早急に進める必要があると報じられた。

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