必死にすがる犬や宙を泳ぐ犬も=リオ・グランデ・ド・スル州大水害でペット1万匹救出

獣医の足にしがみ付く犬(10日付CNNブラジル・サイトの記事の一部)
獣医の足にしがみ付く犬(10日付CNNブラジル・サイトの記事の一部)

 リオ・グランデ・ド・スル州大水害が深刻化して行方不明者が100人を超え、救助隊やボランティアによる救助活動が続けられている。被災したのは人だけではなく、これまで1万匹以上の動物も保護された。ケアしている最中、犬が泣きそうな顔で獣医の脚に抱きついて離れない姿や、助けられた後も空中で水かきを続ける動画がSNS上で注目を集め、感動を呼んでいる。14日付G1サイト(1)が報じた。
 隣州サンタカタリーナ州のシャペコ市にある小動物ケアセンター(NAPA)の獣医師リアンドラ・ダッルソレッタさんは、甚大な被害を受けたカノア市に派遣され、救助活動に従事していた。
 彼女は雌犬を保護した際、その仕草に驚いた。その犬はリアンドラさんの右足に必死にしがみつき、まるで「お願いがいだから、もうどこにも行かないで。ぼくを一人にしないで」と訴えているような様子を見せた。
 「動こうとした時、何かが足を掴んでいたの。下に目をやると1匹の犬がいて、泣いていたんです。とても愛らしかったけど、その表情を見て胸が張り裂けそうになったわ」と彼女は振り返る。
 リアンドラさんは400匹以上の動物を収容する避難所で支援活動を行っており、毎日多くの人々が訪れ、自分のペットを探している。水害で別れ別れになったペットを必死に探す飼い主の様子を、「人間にとって動物が救いをもたらす唯一の存在になることがある」と彼女は話した。
 13日のUOLサイト(2)は、救助された犬が空中で「泳ぐ」様子を捉えた動画がSNSで話題となっていると報じた。災害下のストレスにより、動物が不安や混乱、トラウマを抱えている可能性が指摘されている。
 救助ボランティアは「私たちに抱え上げられた犬たちは、空中で泳ぐ仕草をし続けます。ボートから降りた犬は何時間もそのようにしています」と説明する。
 拡散された動画では、救助された犬がボランティアによって運ばれながら、泳ぐ動作を続ける様子が映っている。
 獣医師のミシェル氏によると、動物が長時間水中で過ごすことでストレスが増して、助けられた後も「空中で泳ぎ続ける」現象につながる可能性があると説明している。
 救助された動物たちは、避難所や仮設住宅、非営利団体に送られる。リオ・グランデ・ド・スル州政府はペット用輸送ケース、ペットフード、個体識別チップ、医療用品の提供に加えて、浸水地域へのアクセスのための車両、ボート、後方支援を提供する。
 家族とペットが一緒に避難できる場所を求める需要が高まっており、同州カトリック大学(PUC)は救助された人々と愛犬が受け入れられるスペースを開設。現在17匹の猫、43匹の犬、2匹のモルモットが保護されている。

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