アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は5か月前に「財政ショック療法」を開始して以来、公共支出の削減や規制緩和などの過激な経済改革を押し進めている。アルゼンチン経済の繁栄を回復するための手段だが、多くの国民が生活必需品やサービスにアクセスできなくなり、特に高齢者は年金や医療に支障をきたす可能性があると懸念が高まっているとのダウ・ジョーンズの翻訳記事を、13日付ヴァロール・エコノミコ・サイト（1）が報じた。
年金生活者のアンジェリカ・ガリアッツィさん（82歳）は「牛肉を食べることをやめる」という、アルゼンチン人としてのアイデンティティを揺るがす決断をした。毎月約200ドルの年金では牛肉には手が出ず、安価な豚肉のスライスを購入するようになった。公共交通機関を使ったり、血圧やコレステロールの薬を買うのも難しくなった。「強いストレスを感じているの。年金だけでは、食べていくのがやっとだわ」
