パウロスが援協の側に移転=貴重な日本語出版印刷所

新装営業始めた「Gráfica Paulos」入り口

 サンパウロ市サンジョアキン駅側にあった出版印刷会社グラフィカ・パウロス(島袋パウロ社長)が、13日から同市ファグンデス街81番に移転し新装営業を始めた。サンパウロ日伯援護協会本部前の坂を少し上がった新築ビルの地階にある。
 同社の島袋レダさんは「パウロと私が22歳の時に、子供を養うために会社を始め、あの場所になってからだけで44年を過ごしました。当時は何も知らず、ゼロからの出発。それが今二人とも73歳です」とサンジョアキン街の旧社屋を懐かしむ。「パンデミックで発注が激減し、社会そのものが変わりました。私たちも社会に合わせて近代化を図らないとダメだと移転を決意しました」と説明する。
 旧社屋は750平米もあって広すぎ、その分経費も掛かるとの判断から、現在の175平米の場所に移転した。ただし少し足りないのでタグア街にも作業用の物件を借りるという。

島袋レダさんとパウロさん

 レダさんは「私たちはパンデミック後の危機から回復しつつあります。私たちの健康と家庭円満、社会、特に長年の友人や顧客からの信頼と励ましに日々感謝しています」と付け加えた。彼女は日伯毎日新聞を創業した中林家の次男(つぎお)さんの長女だ。「父は将棋に熱心で『名人』と呼ばれていました」と懐かしむ。
 今まで通り、本の編集から製本業務、名刺やパンフレット類の制作印刷なども続ける。「レイアウト担当だけで5人おり、毎月4~5冊を編集出版しています」とレダさん。特に日本語での出版や名刺の制作業務をするところは少なく、貴重な存在と言えそうだ。
 新住所(Rua Fagundes, 81)、連絡先(電話ワッツアップ11・99466―7998)。

最新記事