「リベルダーデはブラジル人が日本文化を知るのに良い場所」――フェルナンダ・オリベイラさん(27歳、通称ナンダ)は、そんな理由で、東洋街初の猫カフェ「アングリー・キャット」(@angrycatcoffeeshop)を昨年末にガレリア・インペリアル1階に開店した。
ナンダさんは南大河(RS)州ポルト・アレグレ大都市圏北部にあるイボチ出身。ここには戦後に日本移民も入植し、日本祭りイベントも日常的に行われている。「子供の頃から日本食や文化に親しんでいたの。アニメとかマンガも大好きだった」という。取材時は大水害の関係で、イボチから避難していた母親が店に来ていた。
大学ではモードファッションを専攻。「着物を2つと帯も作ったわ」という。そこから始まっていつしかKpopにはまって、ソウルに5年間住み、ファッションデザイナー兼モデルとして活動したとか。韓国語を勉強するようになり、日常会話レベルは流暢にしゃべるという。「ソウルファッションウィークで自分がデザインした韓服を着てランウェイを歩いたのよ」と懐かしむ。
パンデミックが始まってイベントが開催できなくなり、2021年にブラジルへ帰国。日韓文化を比較してもらうと「韓国はアメリカ文化の影響がものすごく強くて、もっと西洋的。日本は内向的でもっと伝統的だと感じるわ」と語った。
「伝統と現代のセンスを混ぜるのが好きなの。東洋文化には今でも魅かれる。だからソウルで流行っていた猫カフェを東洋街で始めた。日本でもすごい流行っているんでしょ。彼氏は日系2世で、彼と年末に初めて日本に旅行する予定なの。とっても楽しみだわ」と素敵な笑顔を浮かべた。
日本に旅行した際にやりたいことを尋ねると、「札幌に行って温泉に入って浴衣を着たい。そしてラーメン、トンカツが食べたい」とのこと。
東洋文化が大好きなブラジル人の若者が、現代の東洋文化を現地で学んでブラジルに持ち込む。今はそんな時代になったようだ。そんな時代の流れを感じながら、人懐こい猫を撫ぜて心を癒したくなった時は訪ねてみるといいかも。
【Angry Cat】火曜日から日曜日の午前11時から午後5時半まで営業。通常価格の飲み物の注文だけで7匹の猫のいる店内で過ごせる。利用時間は平日無制限、週末は制限あり。住所はガルボン・ブエノ街ガレリア・インペリアル1階(Rua Galvão Bueno, 351, 1º andar)