パラナ州北部ジャカレジーニョ市で22日午後、金髪のカツラで変装した人物が、路上で白昼堂々と若い女性に酸をかけ、重体を負わせるという事件が発生した。当初、被害者の服役中の元恋人が指示した疑いで捜査が進められていたが、24日未明に容疑者の女が警察に自首、犯行を自供した。動機は、被害者とその服役中の男性(容疑者にとっては元夫)に対する嫉妬だったと供述している。被害者はロンドリーナ大学病院のICU(集中治療室)に収容され、鎮静剤と気管挿管による治療を受けていると、24日付オ・グローボなど(1)(2)(3)(4)が報じている
イザベリー・アパレッシーダ・フェレイラ・モーロさん(23歳)は、スポーツジムからの帰り道に、金髪で全身黒づくめの人物に声をかけられ、突然酸性の液体を顔面にかけられた。顔面と胸にやけどを負い、その液体の一部を飲み込んだ可能性があり、それにより健康状態が悪化したとみられている。
路上の防犯カメラの映像には、イザベリーさんが走って逃げる様子や、通行人に助けを求めながら地面に倒れ込む様子がとらえられていた。被害者が酸をかけられた場所では、大きな白いシミがアスファルトの一部を覆い、事件の重大さを物語っている。
イザベリーさんの救出にあたった美容師のデシオ・シルヴァさんによると、彼女は事件直後に「痛い、痛い」と繰り返すだけで、まともに話すこともできない状態だったという。「私は彼女を抱き抱えて急いで車に乗せ、病院に搬送した。私にも5人の娘がいるのですが、その日は恐怖で一睡もできなかった」と語った。
容疑者は警察に、イザベリーさんが元夫と関係を持ったことに嫉妬し、犯行に至ったと話し、犯行に使用した液体は苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)と水を混ぜたものだと明かした。苛性ソーダはタンパク質を分解する性質を持つ劇物で、人体(目、喉、皮膚)に対する危険性が高く、取り扱い注意の毒物だ。
容疑者は4人の男に追われ、事件直後から近くの茂みに身を隠していたとも供述しているが、詳しいことは現在捜査中だ。