ブラジル東北部マラニョン州のピザ屋が、郷土の人気食材「ゴンゴ(甲虫の幼虫)」を使ったピザを提供し、その衝撃的な見た目とユニークな味がSNSで話題となり、700万回以上の再生数を記録している。ゴンゴピザは「ココナッツの味がする」と言われ、特に幼少期に食べた経験のある年配客から「懐かしい味」だと人気を集めていると、27日付テラ・サイトなど(1)(2)が報じた。
ブラジルでは135種の昆虫が伝統的に食用とされており、主に河川沿いのキロンボラ(逃亡した黒人奴隷の子孫)や先住民族が食用としており、貴重なタンパク源となっている。
ゴンゴは、一般的に「ココナッツの味」の味がすると言われている。これは地面に落ちたココナッツの表面にメスが卵を産みつけ、孵化した幼虫は果実に穴を開けて内部に入り込み、そこで実を食べながら発育を続けるからだという。
このピザ屋「ピッツァ・パウリスタ」のオーナーであるブルーノ・オリヴェイラさん(35歳)は、地元の食材にこだわった革新的なメニューを創りたかったと話す。「妻がマラニョン出身で、ココナッツを育てている叔母がいるんです。彼女が幼虫を持ってきてくれて、それをインスタグラムに投稿したら、それを見た顧客から『ゴンゴピザを作ってほしい』と依頼されたんです」と創作のきっかけを説明した。
ブルーノさんによれば、その味を求める客の年齢層には一定の傾向があり、「ゴンゴピザは、幼い頃に幼虫を食べていた年配の方々からよく注文されます。彼らにとって懐かしく、郷愁を誘う味だと言います。一度煎ってからピザにトッピングするんですが、香ばしくて美味しいですよ。このピザを目当てに、他の州や都市から毎日人が来てくれます」と彼は続けた。
ブルーノさんは、マラニョン州の内陸都市でココナッツ割りをしている女性たちからゴンゴを購入し、地域経済の振興にも貢献している。「彼女たちは大量のゴンゴを集めて、私に売ってくれます。以前、彼女たちはココナッツを1キロ4・50レアルで販売していました。私は1キロ20レアルでゴンゴを買っています」と話した。
ゴンゴピザ大サイズは50レアル(約1500円)だ。また、川魚や鶏のハツ、ご当地料理のモツ煮込みなどを使用した、変わり種ピザも販売している。