アルゼンチン国営石油・ガス会社エナルサは5月29日、国内市場での需要増による供給危機に対処するため、ブラジルの石油公社ペトロブラス(PB)からの液化天然ガス(LNG)の緊急購入に踏み切った。アルゼンチンでは300を超える企業やガソリンスタンドが供給不足の影響を受けており、両国大統領の対話不足が問題視されている中、隣国のエネルギー崩壊を回避するためにブラジル政府が支援に乗り出したと、5月29日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
ガス不足がアルゼンチンの産業活動の一部を麻痺させ、ガソリンスタンドでの行列や閉鎖を引き起こし始めたため、ミレイ政府は時間との戦いになっていた。この危機は、過去十数年間は見られなかった異常な寒さによる電力消費急増に起因しており、家庭用暖房機器に供給するためにガス消費量が大幅に増加する冬に入る直前に発生した。