熱帯雨林のど真ん中、アマゾン川中流パリンチンスで毎年6月末の深夜に開催される奇祭「ボイ・ブンバ」――その人気美人女優だったディジア・カルドーゾさん(本名ジレマール・カルドーゾ・カルロス・ダ・シルヴァ、32歳)が、5月28日に自宅で死亡した。彼女の弟と母親が心霊儀式で薬物を過剰摂取させ、ディジアさんを死亡させた疑いが持たれている。弟、母親、ディジアさん本人は、それぞれイエス・キリスト、聖母マリア、マグダラのマリア(イエスの女性使徒)の再来と信じ込んでいた。3日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
警察によると、彼らは『父、母、命」という新興宗教を作り、精神的充足を得るために獣医学で使用される注射麻酔剤「ケタミン」を使用することを奨励していた。一家が初めてこの薬物に接したのは、ちょうど1年前に被害者の弟のアデマール容疑者、母親のクレウシマール容疑者がこの薬物を過剰摂取して幻覚を見るようになった時だという。
4月、彼らはケタミン密売の容疑で捜査された。ディジアさんが経営する美容院マネージャーであるヴェロニカ・ダ・コスタ容疑者は、処方箋なしに動物病院から違法に薬剤を購入したとして告発された。
一家は毎日、中毒性の高い同薬物を使用し、儀式を行う様子を動画に撮ってインターネットに投稿するなどしていた。3人は宗教関連の書籍を熱心に読み、自分達を指導者と位置づけ、聖書の登場人物として自己認識していたという。
被害者の弟、母親、ヴェロニカ容疑者と、美容院に勤める他の従業員2人が薬物密売の罪で30日に逮捕された。警察は自宅と動物病院から注射器と小瓶を押収した。
容疑者らの弁護士であるリジアーニ・ロケ氏は「今、我々の優先事項は彼らの幸福と精神的健康だ。彼らを入院させるためにあらゆる手段を講じるつもりだ。医学的な助けが必要だ」と述べた。
ディジアさんは2016〜20年にかけて「ボイ・ブンバ」祭のボイ・ガランチードチームで、白人を代表する農場主の娘「シニャジーニャ・ダ・ファゼンダ」を演じ、ファンを魅了していた。シニャジーニャを引退した後は、アマゾナスで美容室チェーンを経営する家族とともに働いていたが、亡くなる数カ月前、彼女はうつ病と闘っていたことをSNSの投稿で明かした。
ディジアさんの弟アデマール容疑者には、強姦の容疑でも捜査が進められている。元交際相手は、アデマール容疑者に勧誘されて入信し、薬物を使い始めたという。捜査当局は、アデマール容疑者がケタミンの影響下にあった被害者と性的関係を持ったかどうかを調査している。これは弱者に対するレイプを特徴づけるものであり、また薬物の使用により、同女性が薬物使用により流産した可能性も報じられている。