林禎二駐ブラジル日本国特命全権大使は6月10日、ルシアナ・サントス科学技術・イノベーション大臣と会談し、人工知能(AI)を中心とした様々な分野での両国間の協力強化を話し合った。
林大使は、G7作業部会の枠組みの中で日本が主導する「広島AIプロセス」として知られる日本のイニシアティブを紹介。これは、AIの倫理的利用の原則と開発者の行動規範を策定することを目的とし、AIが責任を持って開発され、使用されることを保証するという世界的なコミットメントを反映している。
ルシアナ・サントス大臣は、広島AIプロセスの原則とブラジルの目標が一致していることを強調し、G20や国連などの国際的なフォーラムで協力し、AIが社会に幅広い利益をもたらすようブラジルの協力を再確認した。
同大臣は「私たちの目標は、すべての人がデジタル経済と効率的な公共サービスを十分に利用できるようにすること、私たちの社会や民主主義を脅かす偽情報やヘイトスピーチと闘うこと。開発ツールとしてだけでなく、国内および国家間の社会的・経済的格差を縮小する手段としてAIの利用を促進することです」と述べた。
また同大臣は、ブラジルAI戦略(EBIA)の更新や国家AI計画(PBIA)の策定など、AIにおける国家的な取り組みについても詳述した。この計画は、7月30日から8月1日まで開催される第5回科学・技術・イノベーション全国会議(5CNCTI)で発表される。
「ルーラ大統領は、5CNCTIで発表される国家AI計画を策定するよう我々に要請した。同計画は、インフラ、訓練、生産部門、規制の四つの柱に基づくもので、保健など特定の分野での実施も規定されている」と同大臣は説明した。
林大使はまた、ブラジルと日本の長年の関係を強調し、技術、デジタルテレビ、環境などの分野での二国間協力について言及した。