ブラジル日本移民史料館は19日、日本移民116周年を記念した期間限定展示「桂植民地―ブラジルで初めての日本人移住地」を開始した。聖州イグアッペ市に作られた桂植民地はブラジル初の日本人移住地で、展示会場には同移住地で使用されていた生活用品などが展示される。展示期間は7月28日まで。
イグアッペ市にはかつて金鉱山があり、16世紀初頭にはポルトガル人やスペイン人が集まり、繁栄。しかし、18世紀にミナス・ジェライス州で金採掘が行われるようになると人口流出が起き、衰退した。1912年に日本の半官半民の植民会社「東京シンジケート」が、聖州政府と日系移住地(農業植民地)を設立する協定を締結し、同市に日本人2000人が移住した。
展示会では、当時の移民が使っていた道具や生活用品の展示のほか、移住地の歴史を写真で紹介。半田知雄ら日系芸術家が描いた当時の生活風景作品も飾る。移住者の生活を振り返る映像作品もあり、さまざまな角度から同移住地の歴史を知ることができる。
18日には展示会場で記念テープカット式が行われた。挨拶に立った同館の山下リジア運営委員長は記念展示の開催について、「先祖を敬い、彼らが残してくれた豊かな文化遺産に改めて感謝するため、6月18日の日本移民の日を記念した催しを行うことが当館の伝統となっています」と述べ、先人に対する感謝の気持ちを語った。
展示会開催に協力したイグアッペ日文化協会のジョルジェ・ハララキ会長は「地域の発展に貢献した人々に敬意と感謝の気持ちを示すまたとない機会となった」と述べ、無事の開催を喜んだ。
テープカット式には、ブラジル日本文化福祉協会(文協)の西尾ロベルト副会長、在サンパウロ総領事館の小室千帆首席領事、JICAブラジル事務所川村玲子次長、野村アウレリオサンパウロ市議らが出席した。
ブラジル日本移民史料館はサンパウロ市リベルダーデ区の文協ビル(R. São Joaquim, 381)7~9階にある。一般入場料16レアル、水曜日無料。営業時間は火~日曜日午前10時~午後5時。