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日本国大使公邸=西森下議が旭日中綬章受勲=漁業大臣、ブラジル外務省局長臨席=「驚いている。感動で胸が一杯」

叙勲を受けた西森下議

 「この男はコミュニケーションの達人で、知らないうちに周りのものに影響を与え、いつの間にか協力する気にさせている」――ブラジリアの駐ブラジル日本国大使公邸で18日正午から、西森弘志ルイス連邦下議(76歳、2世)の旭日中綬章の叙勲式が行われ、アンドレ・デ・パウラ農業漁業大臣はそう人物紹介した。当日は家族を始め、同僚連邦下議10数人、西森氏の地盤であるパラナ州マリンガ市からも約20人あまり、合わせて約100人が駆け付けた。

 両国国歌斉唱の後、林禎二大使は「伯日下院議連は1994年に創設され、先ごろ上院にもできた。西森下議は議連会長として日伯間の経済・文化交流等を常にリーダーシップをとってきた」と称賛した。
 議連副会長のキム・カタギリ下議も「西森氏はベテランというにふさわしい。肉の輸出、4世ビザ、観光ビザなど日伯関係の交渉において先頭に立って進めてきた。この叙勲を受けるにふさわしい人物であり、日系社会を代表してオメデトウ!と言いたい」と語った。
 ブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長も「西森氏は、疲れることを知らない、日伯間の偉大なる架け橋建設者だ」と褒め上げた。
 ブラジル外務省の日本・朝鮮半島・太平洋局のパウロ・エリアス・デ・モラエス局長は「ブラジル外務省を代表して祝賀の言葉を述べたい。西森氏に相応しい」と評価した。

 林大使は西森氏の業績として、毎年6月に連邦議会で特別式典を挙行してきたこと、パラナ州議2期、連邦下議4期にわたる長期間、経済使節団を25回に渡って日本に連れていき、日伯振興に努めてきた活動を説明した。西森氏は親の教育方針から4歳で高知県に親戚の家に預けられて、18歳で高校を卒業してからブラジルに戻ったという特異な育ちを経験している。大使は「西森氏は日系団体と共に来年130周年の準備を始めている。日本政府も一緒に歩みたいと思っている」と締めくくり、賞状と勲章の授与を行った。
 西森下議は本紙取材に対し、「感動で胸が一杯だ」と満面に笑みを浮かべ、「叙勲を予想していなかったので、とても驚いている。州議2期、連邦議員4期を続けられたのは、周りの皆さんのおかげ。その全ての皆さんにこの勲章を分かち合いたい。議会の同僚、秘書、パラナ州の地元の皆さん、家族、そして皇室にも感謝を捧げたい。22年間を日伯関係の深化のために尽くしてこられたのは本望だ。この勲章を頂いて、更なる責任を感じてる」と表情を引き締めた。

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