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RS州大水害=日本財団、ブラジルで初の災害発支援=南援協に5万米ドル寄付

 公益財団法人日本財団(笹川陽平会長)は、南大河(RS)州の大水害で甚大な被害を受けた現地日系団体に対し、緊急支援として5万米ドルの見舞金を支払うことを決めた。日本国外の災害に対して見舞金を送るのは初めてで、同財団は「ブラジルで発生した災害への支援はこれまで実績になかったが、被害状況を見て、日系社会への支援が必要だと判断した」としている。
 大水害を受け、現地日系社会は州都ポルト・アレグレ近郊に限っても30家族以上が被災し、郊外のコロニアでは畑が流されるといった被害も発生している。また、州の日系社会の中心拠点「南日伯援護協会」(谷口浩会長)の本部事務所や巡回診療バスも浸水し、復旧・復興には多額の資金が必要になっている。
 本来、同財団からの支援を受けるには現地団体が支援申請を申し込む流れが一般的だが、今回は現地コミュニティが復興活動を続ける中で申請書を提出するのは困難と判断。「財団の意思として見舞金を送った」と特定事業部グローバルコミュニケーションチームでチームリーダーを務める和田真さんは話す。
 見舞金は6月末に南日伯援護協会に送られる。同協会の副会長森口エミリオ秀幸さんは、医師として日系移住者への訪問診療「巡回診療」に長年携わり、その功績が評価され、同財団の関連財団「社会貢献支援財団」が行う社会貢献者表彰を2018年度に受賞。こうしたつながりもあり、和田さんは「長年に渡る支援は共感し、尊敬する」と話す。
 見舞金は「必要なものに使ってもらえれば」とした上で、「南日伯援護協会の組織なら、現地のコミュニティ復興のために使ってもらえると自信を持っている。財団が日系社会支援を始めてから50年になる。心の支え、より所になれば」と期待している。

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