第2回ラーメン祭り開催=日本食でモジの町おこしを

会場でラーメンを食べるブラジル人親子

 モジ・ダス・クルーゼス市内に本社を置くMNプロポリス社(和田カルロス社長)などが協賛する「第2回ラーメン祭り」が、6月23日午前10時から午後4時まで同市のレオン・フェヘール公園で開催された。今年も会場に一日で5千人以上が来場し、コスプレやゲーム関係のイベント参加者でも活況を呈し、同社が用意した一千食のラーメンは完売した。
 このラーメン祭りは、同社の松田典仁会長が「モジ市をラーメンで町おこししよう」とモジ市長に提案して実現した。昨年の第1回目は、同社と合わせて五つのブースのみが出展されたが、予想以上に盛況だったことから今年は約30の飲食・雑貨ブースが立ち並んだ。
 昨年、ラーメンを販売したのはMNプロポリス社のみだったが、今年は他にも二つの屋台が出店し、よりラーメン祭りのムードが高まった。
 「昨今の聖市での急速なラーメンの普及を見ていると、近い将来にはラーメン店ばかりがたくさん集まるラーメン祭りも実現しそうですね」と来場していた日本人の参加者は印象を述べた。
 MNフード社のディレクター、粕葉ジョエルさん(50)によると、イベントの二日前から準備を開始し、当日には20人のスタッフを総動員して来場者を応対した。用意したメニューは味噌としょう油の二種類で、価格は25レアル。「来場される皆さんに喜んで食べていただきたい」と、ブラジルのバールでの日常食の価格と同様の設定を試みた。日系人には味噌が人気、非日系人にはしょう油が人気の傾向が見られるという。
 「ラーメンが大好き」という、1歳の子どもと来場していたモジ市在住のブラジル人夫婦は、ラーメンを初めて食べたのは6年前でリベルダーデ地区の「ラーメン和」であった。モジ市のMNラーメン店にも食べに行くことがあり、「同店はモジにおけるラーメン発信源」と認識。「1歳の子どももラーメンが大好物」と、おいしそうに麺をすすった。

 日本では庶民価格のラーメンでも、聖市ではどうしてもブラジルの庶民の日常食よりは高くなる。25レアルという価格でおいしさとボリュームを実現できるのは、麺や調味料を自社で製造しているMNプロポリス社の強みだ。「今年はラーメンの売り上げが伸びる冬本番前から麺の売上も好調で、この冬はさらに売上が伸びると予想している」と柏葉さんは自信をのぞかせた。
 同日には同市内で日本人移民116周年を祝う記念式典も実施され、ラーメン祭りは2世、3世が現役世代になった今も「モジに日本人移民あり」の様相を印象づける形となった。

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